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鋒先
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ほこさき
ふりがな文庫
“
鋒先
(
ほこさき
)” の例文
ちょっと
皮肉
(
ひにく
)
なところがありますが、
優
(
やさ
)
しい
微笑
(
びしょう
)
をたたえた皮肉で、世の中の不正や
醜
(
みにく
)
さに、それとなく
鋭
(
するど
)
い
鋒先
(
ほこさき
)
を向けています。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
さように限りなき宇宙を一人の力で支配する神様はないはずだというところへ
鋒先
(
ほこさき
)
を向け、そして例の宗教の否定が繰り返される。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
幕府は老中
罷免
(
ひめん
)
に対する反抗の意志を
上疏
(
じょうそ
)
の手段に表白したばかりでなく、その
鋒先
(
ほこさき
)
を「
永々
(
ながなが
)
在京、事務にも通じた」というところの慶喜に向けた。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして彼がいなくなると、その家族の者たちに非難の
鋒先
(
ほこさき
)
を向けた。彼らはそれを自認してはいなかった。なぜならそれは不正なことだと知っていたから。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
曾根少佐は、それまで
多寡
(
たか
)
をくくったような調子で、
応対
(
おうたい
)
していたが、やっと俊亮の
鋒先
(
ほこさき
)
を感じたらしく、急にいずまいを直して、口ひげをひねりあげた。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
この論文は恐ろしくポレミックなもので、自分のように初めから『枕草紙』諸異本を見たことがないと告白している素人でさえ、
鋒先
(
ほこさき
)
を胸先に感じさせられた。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
にんじんは壁に額と
臑
(
すね
)
とを押しつける。壁を突き破らんばかりに押しつける。両手で尻っぺたを隠す。鳴動が始まると同時に襲来する爪の
鋒先
(
ほこさき
)
を防ぐためである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
独のオーストリアにおける、英の露における、独の露における、欧州諸国のトルコにおける、その
鋒先
(
ほこさき
)
はみな西より東に向かって運動を試みんとするにあらずや。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
けれどもジャン・ヴァルジャンは
鍵穴
(
かぎあな
)
から
蝋燭
(
ろうそく
)
の光を見て取って、口をつぐんで
探偵
(
たんてい
)
の
鋒先
(
ほこさき
)
をくじいた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
アキリスが
怒
(
いか
)
って希臘
方
(
がた
)
から
躍
(
おど
)
り出した時に、城の中に逃げ込まなかったものはヘクトー一人であった。ヘクトーは三たびトロイの城壁をめぐってアキリスの
鋒先
(
ほこさき
)
を避けた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
木ベエはふだん酒を飲まないタチだが、たまたま酔うとシツコクからむ奴で、先刻からだいぶ丹後にからんでいたが、どうした風向きだか、やにわに
鋒先
(
ほこさき
)
を海老塚にむけて
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
それほど、新兵衛はその
扱
(
しご
)
き出す三間
柄
(
え
)
の大身の鎗の
鋒先
(
ほこさき
)
で、さきがけ
殿
(
しんがり
)
の功名を重ねていた。そのうえ、彼の武者姿は戦場において、水ぎわ立ったはなやかさを示していた。
形
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
後年になって漱石氏の鋭い方面はその
鋒先
(
ほこさき
)
をだんだんと
嚢
(
ふくろ
)
の外に表わし始めたが
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
二人の生酔いの悪ざむらいは、
鋒先
(
ほこさき
)
をそらして、ずっと前へ進んでしまいました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その英国を
禦
(
ふせ
)
ぐにはどうしたらよいか、英国がこのチベットを取ろうという考えを持って居る、その
鋒先
(
ほこさき
)
はどういう風に
禦
(
ふせ
)
いだらよかろうかということを、始終考えて居られるようです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
のみならず時々は
先手
(
せんて
)
を打ってKの
鋒先
(
ほこさき
)
を
挫
(
くじ
)
きなどした。
彼
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ソレから浪士の
鋒先
(
ほこさき
)
が洋学者の方に向いて来た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
平次は質問の
鋒先
(
ほこさき
)
を變へました。
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鋒先
(
ほこさき
)
の後方へ向いた角では、ちょっと見るとぐあいが悪そうであるが、敵が自分の首筋をねらって来る場合にはかえってこのほうが有利であるかもしれない。
映画「マルガ」に現われた動物の闘争
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
名古屋方と木曾福島の山村氏が配下との反目はそんなお触れ状のはじにも隠れた
鋒先
(
ほこさき
)
をあらわしていた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
公家の階級は、
承久
(
じょうきゅう
)
の乱後、反抗の力を失って、好んで武士に
媚
(
こ
)
びた。粗暴な活気を保持していた大寺の僧兵も、武士階級の威圧によってようやくその
鋒先
(
ほこさき
)
を鈍らせた。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
みなその尋問の
鋒先
(
ほこさき
)
をば全局面なる日本の将来はいかんという点に向けざるべからず。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
なるべくその
鋒先
(
ほこさき
)
を避けてこちらから頼んで金を取って貰うようにするです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
検事はいかにも
真
(
まこと
)
らしく、シャンマティユーいや換言すればジャン・ヴァルジャンの犯罪は、その敗徳文学の影響であるとした。その考察が済んで、彼は直接ジャン・ヴァルジャンに
鋒先
(
ほこさき
)
を向けた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
今までの彼女は彼を通して常に
鋒先
(
ほこさき
)
をお延に向けていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だれかが夫人のほうに
鋒先
(
ほこさき
)
を向けた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
第五巻の初めにおいて、ルクレチウスは、さらに
鋒先
(
ほこさき
)
を取り直して彼の敵手たる目的論的学説に反抗している。そうして神を敬遠して世界と没交渉な天の一方に持ち込んでいる。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
はたして、幕府方の反目は水戸浪士の処分にもその隠れた
鋒先
(
ほこさき
)
をあらわした。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
鋒
漢検準1級
部首:⾦
15画
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“鋒”で始まる語句
鋒
鋒鋩
鋒尖
鋒芒
鋒杉
鋒鉾
鋒矢
鋒鏑
鋒子先
鋒止先