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透徹
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とうてつ
ふりがな文庫
“
透徹
(
とうてつ
)” の例文
河内房了海は、さすが大円房の四天王随一と云われた人物だけあって、あらゆる行法に
長
(
た
)
け、殊に人物を
観
(
み
)
るにかけては
透徹
(
とうてつ
)
の眼識をそなえていた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
毎日
(
まいにち
)
透徹
(
とうてつ
)
した
空
(
そら
)
をぢり/\と
軋
(
きし
)
りながら
高熱
(
かうねつ
)
を
放射
(
はうしや
)
しつゝあつた
日
(
ひ
)
も
餘
(
あま
)
りに
長
(
なが
)
い
晝
(
ひる
)
の
時間
(
じかん
)
に
倦
(
う
)
まうとして、
空
(
そら
)
からさうして
地上
(
ちじやう
)
の
凡
(
すべ
)
てが
漸
(
やうや
)
く
變調
(
へんてう
)
を
呈
(
てい
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
病み果てた病人のように
透徹
(
とうてつ
)
した頭脳であわただしく過ぎて行った赤い歴史をめくるのであった。
地図に出てくる男女
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
太古のような静けさの底に、瑠璃の如く
透徹
(
とうてつ
)
した泉の水が
澱
(
よど
)
んで居るのです。
金色の死
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
余りに幼稚なるお芝居気に富んでいる事である。
彼
(
か
)
の
寸毫
(
すんごう
)
の微と
雖
(
いえど
)
も逃すことのない
透徹
(
とうてつ
)
その比を見ざる大学者の頭脳と、此度の所謂犯罪事実なるものとを比較する時
吾人
(
ごじん
)
は
如何
(
いかん
)
の感があるか。
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
仏像の眼を思わせるようなその
慈眼
(
じがん
)
と、清潔であたたかい血の色を浮かしたその
豊頬
(
ほうきょう
)
とに、まず心をひきつけられ、さらに、
透徹
(
とうてつ
)
した理知と燃えるような情熱とによって語られるその
言々句々
(
げんげんくく
)
に
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
要するに理想の実現は位地によるものでない、心の底まで理想が
透徹
(
とうてつ
)
するならば、なにごとにあたっても実現すると思う。一杯の茶を飲もうが、一言の話をしようが、そのなかに理想が実現せられる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
大根
(
だいこん
)
の
葉
(
は
)
は、一
旦
(
たん
)
地上
(
ちじやう
)
の
緑
(
みどり
)
を
奪
(
うば
)
うて
透徹
(
とうてつ
)
した
空
(
そら
)
が
其
(
そ
)
の
濃厚
(
のうこう
)
な
緑
(
みどり
)
を
沈澱
(
ちんでん
)
させて
地上
(
ちじやう
)
に
置
(
お
)
いた
結晶體
(
けつしやうたい
)
でなければならぬ。
晩秋
(
ばんしう
)
の
氣
(
き
)
は
只管
(
ひたすら
)
に
沈
(
しづ
)
まうとのみして
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
“透徹”の意味
《名詞》
透 徹(とうてつ)
筋が通っていてはっきりしていること。
透き通っていること。
(出典:Wiktionary)
透
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
徹
常用漢字
中学
部首:⼻
15画
“透”で始まる語句
透
透間
透通
透綾
透明
透見
透視
透彫
透過
透垣