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賣
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うり
賣に參らんと
今質より受出して來たる
衣服并に
省愼の大小を
帶し立派なる
出立に支度なして居たる處へ同じ長家に居る
彼張子の
釣鐘を
何のためか
深張傘をさして、
一度、やすもの
賣の
肴屋へ、お
總菜の
鰡を
買ひに
出たから。
もし
望み
手があるならば、どれでも
安い
値に
賣り
渡したい、——と
云ふ
話をしたのです。
盜賊人殺しなりと
訴へけれども吉三郎事は
豫て其方
娘菊と
密通致し
居娘より
貰ひて
與兵衞に
賣たりと云故
其段明白に
吟味せん
爲娘を呼出したり
其方此事を
不便なれ共遊女に
賣て金の
調達するより外の
工夫はなしと恩義に
迫りし夫婦が相談茲に漸く
調ひしかば娘お幸を