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賃銭
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ちんせん
ふりがな文庫
“
賃銭
(
ちんせん
)” の例文
旧字:
賃錢
わたくしは初め行先を聞かれて、
賃銭
(
ちんせん
)
を払う時、玉の井の一番賑な処でおろしてくれるように、人前を
憚
(
はばか
)
らず頼んで置いたのである。
寺じまの記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
というは、
轎夫
(
きょうふ
)
として
担
(
かつ
)
げば、相当の
賃銭
(
ちんせん
)
を受ける一つの商売である。しかし壮丁として行くのは公利公益のために力を尽すのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ひつかゝりの
一
(
ひと
)
つは、現に彼の
眼前
(
めのまへ
)
に裸体になつてモデル臺に立つているお房だ。お房は、幾らかの
賃銭
(
ちんせん
)
で肉體の
全
(
すべ
)
てを
示
(
み
)
せてゐるやうな
賤
(
いや
)
しい
女
(
をんな
)
だ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
それに
咳嗽
(
せき
)
が出る。ちょうどそこに行田に戻り車がうろうろしていたので、やすく
賃銭
(
ちんせん
)
をねぎって乗った。寒い
路
(
みち
)
を日の
暮
(
く
)
れ
暮
(
ぐ
)
れにようやく家に着いた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
これいかんとなれば縮を一
端
(
たん
)
になすまでに人の
手
(
て
)
を
労
(
らう
)
する事かぞへ
尽
(
つく
)
しがたし。なか/\
手間
(
てま
)
に
賃銭
(
ちんせん
)
を
当
(
あて
)
て
算量
(
つもる
)
事にはあらず、雪中に
籠居
(
こもりをる
)
婦女等
(
ふぢよら
)
が
手
(
て
)
を
空
(
むなし
)
くせざるのみの
活業
(
いとなみ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
すると車夫は十二銭の
賃銭
(
ちんせん
)
をどうしても二十銭よこせと言う。おまけに俺をつかまえたなり、会社の門内へはいらせまいとする。俺は大いに腹が立ったから、いきなり車夫を
蹴飛
(
けと
)
ばしてやった。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかしチベット語と英語の字引だけはぜひ買いたいと思ってまた五十ルピー借入れ、荷物はボンベイの間島さんの方へ
賃銭
(
ちんせん
)
先払いで送り、そして私がボンベイに着いたのは四月上旬であります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
彼
(
あれ
)
が年も
往
(
い
)
きませんから届きません、只私を大事にして呉れます、日々あゝやって御城下へ参りまして、荷を置いて参ります、又
彼方
(
あちら
)
から参る物は
此方
(
こちら
)
へ積んで参りまして少々の
賃銭
(
ちんせん
)
を戴きます
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
職業として
轎
(
かご
)
を
担
(
にな
)
うのでなく、また
賃銭
(
ちんせん
)
を要求するためでもない。したがって仮りに賃銭を払われてもこれを受くるをいさぎよしとせぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
人力車
(
じんりきしゃ
)
は
賃銭
(
ちんせん
)
の高いばかりか何年間とも知れず
永代橋
(
えいたいばし
)
の
橋普請
(
はしぶしん
)
で、近所の往来は
竹矢来
(
たけやらい
)
で
狭
(
せば
)
められ、小石や砂利で車の通れぬほど荒らされていた処から、
誰
(
た
)
れも彼れも
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その上求むることも出来ませず「これから歩くのも非常に困難ですから馬車をどうかして戴きたい。
賃銭
(
ちんせん
)
は払いますから」といいますと「それはむつかしい話だ」とお二人とも困って居られたですが
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
前にいった
轎夫
(
きょうふ
)
の
賃銭
(
ちんせん
)
は金銭で計算されるが、
壮丁
(
そうてい
)
の僕に対する好意は金銭をもって
換算
(
かんさん
)
できぬものである。しかしてこれが一番
貴重
(
きちょう
)
なる務めである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
賃
常用漢字
小6
部首:⾙
13画
銭
常用漢字
小6
部首:⾦
14画
“賃”で始まる語句
賃
賃錢
賃銀
賃仕事
賃機
賃金
賃貸
賃訳
賃餅
賃料