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諸膝
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もろひざ
ふりがな文庫
“
諸膝
(
もろひざ
)” の例文
女はあっと云って、
緊
(
し
)
めた手綱を一度に
緩
(
ゆる
)
めた。馬は
諸膝
(
もろひざ
)
を折る。乗った人と共に
真向
(
まとも
)
へ前へのめった。岩の下は深い
淵
(
ふち
)
であった。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
最近
(
さいきん
)
は……
尤
(
もつと
)
も
震災前
(
しんさいぜん
)
だが……
土橋
(
どばし
)
のガード
下
(
した
)
を
護謨輪
(
ごむわ
)
で
颯
(
さつ
)
と
言
(
い
)
ふうちに、アツと
思
(
おも
)
ふと
私
(
わたし
)
はポンと
俥
(
くるま
)
の
外
(
そと
)
へ
眞直
(
まつすぐ
)
に
立
(
た
)
つて、
車夫
(
わかいしゆ
)
は
諸膝
(
もろひざ
)
で、のめつて
居
(
ゐ
)
た。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そこを敵中の一将
牛金
(
ぎゅうきん
)
が、首を掻こうと駈けてくるのを、呉の
丁奉
(
ていほう
)
、
徐盛
(
じょせい
)
らが、馬の
諸膝
(
もろひざ
)
を
薙
(
な
)
ぎ払って牛金を防ぎ落し、周瑜の体をひっかついで呉の陣中へ逃げ帰った。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
突然
(
いきなり
)
、
年増
(
としま
)
の
行火
(
あんか
)
の中へ、
諸膝
(
もろひざ
)
を
突込
(
つっこ
)
んで、けろりとして、
娑婆
(
しゃば
)
を見物、という澄ました顔付で、当っている。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ここです」と藤尾は、軽く
諸膝
(
もろひざ
)
を
斜
(
なな
)
めに立てて、青畳の上に、
八反
(
はったん
)
の
座布団
(
ざぶとん
)
をさらりと
滑
(
す
)
べらせる。
富貴
(
ふうき
)
の色は
蜷局
(
とぐろ
)
を三重に巻いた鎖の中に、
堆
(
うずたか
)
く
七子
(
ななこ
)
の
蓋
(
ふた
)
を盛り上げている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
雑所は
諸膝
(
もろひざ
)
を折って、倒れるように、その
傍
(
かたわら
)
で息を
吐
(
つ
)
いた。が、そこではもう、火の粉は雪のように、袖へ
掛
(
かか
)
っても、払えば濡れもしないで消えるのであった。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蹌踉
(
よろよろ
)
と、壁へ手をつくばかりにして、壇を下り切ると、主税は
真暗
(
まっくら
)
な穴へ落ちた
思
(
おもい
)
がして、がっくりとなって、
諸膝
(
もろひざ
)
を
支
(
つ
)
こうとしたが、先生はともかく、そこまで送り出そうとした夫人を、平に
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
諸
常用漢字
小6
部首:⾔
15画
膝
常用漢字
中学
部首:⾁
15画
“諸”で始まる語句
諸
諸共
諸手
諸声
諸君
諸人
諸方
諸々
諸国
諸肌