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そらん
ふりがな文庫
“
諳
(
そらん
)” の例文
北條時宗
邀
(
むか
)
え撃って大いに
之
(
これ
)
を
敗
(
やぶ
)
ったことは、
凡
(
およ
)
そ歴史を知るほどの人は
所謂
(
いわゆる
)
「
元寇
(
げんこう
)
の
役
(
えき
)
」として、
誰
(
たれ
)
も
諳
(
そらん
)
じている所である。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
先生は女が髪を直す時の千姿万態をば、そのあらゆる場合を通じて
尽
(
ことごと
)
くこれを秩序的に
諳
(
そらん
)
じながら、なお飽きないほどの熱心なる観察者である。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私がその顔を
諳
(
そらん
)
じていなければならない理由でもあると言うのだろうか? 私は急に不愉快に感じながら訊き返した。
一つのエチケット
(新字新仮名)
/
松濤明
(著)
河原崎座の狂言は二人共度々見たが、なか/\
白
(
せりふ
)
を
諳
(
そらん
)
じ尽すわけには行かぬので、それから毎日二人で立見に往つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
祈のこゝろをばわれ知らざりしかど、祈の詞をばわれ善く
諳
(
そらん
)
じて洩らすことなかりき。僧は我をかはゆきものにおもひて、あるとき我に一枚の圖をおくりしことあり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
私は十万分の一の地図を
眺
(
なが
)
めているが、もうすっかり頭へ入っているのであろう、病人は細かい地名までことごとく宙で
諳
(
そらん
)
じているのであった。正確無比な話であった。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
森からそこへ縁附いた人の後に、
小字経太郎
(
こあざなみちたろう
)
、寿専というのがあって、幼い時から学問を好んで、
就
(
つ
)
いて学ぶ師が皆驚くほどでした。家蔵の書を残りなく
諳
(
そらん
)
じたのです。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
それから、流場の
笊
(
ざる
)
の下とか、敷板の下などを点検し、蛞蝓は火箸で摘んで、塩で溶かすのであった。妻は蛞蝓の居そうな場所と、出て来る時刻を、すっかり
諳
(
そらん
)
じていた。
吾亦紅
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
これらの四子は、さきに失敗を招いた
夏侯楙駙馬
(
かこうもふば
)
などとは大いに質がちがっていて、兄の
覇
(
は
)
は弓馬武芸に達し、弟の
恵
(
けい
)
は
六韜三略
(
りくとうさんりゃく
)
を
諳
(
そらん
)
じてよく兵法に通じ、他の二兄弟もみな俊才の聞えがあった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と四十年後の
今日
(
こんにち
)
、
未
(
いま
)
だに尋常一年の読本を
諳
(
そらん
)
じているのでも分る。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
余は我身の今の世に雄飛すべき政治家になるにも宜しからず、また善く法典を
諳
(
そらん
)
じて獄を斷ずる法律家になるにもふさはしからざるを悟りたりと思ひぬ。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
翰は
夙
(
つと
)
に唐宋諸家の中でも殊に
王荊公
(
おうけいこう
)
の文を
諳
(
そらん
)
じていたが、性質
驕悍
(
きょうかん
)
にして校則を守らず、漢文の外他の学課は悉く棄てて
顧
(
かえりみ
)
ないので、試業の度ごとに落第をした結果
梅雨晴
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
我家のとは違ひて、この卓には
毯
(
かも
)
を被ひたり。われはよその子供の如く、
諳
(
そらん
)
じたるまゝの説教をなしき。聖母の
心
(
むね
)
より血汐出でたる、穉き基督のめでたさなど、説教のたねなりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
余は我身の今の世に雄飛すべき政治家になるにも
宜
(
よろ
)
しからず、また善く法典を
諳
(
そらん
)
じて獄を断ずる法律家になるにもふさはしからざるを悟りたりと思ひぬ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
友は
些
(
いさゝか
)
の
怯
(
おく
)
れたる氣色もなく、かのダンテを詠ずる詩を
誦
(
ず
)
したり。式場は忽ち水を打ちたるやうに鎭まりぬ。
讀誦
(
どくじゆ
)
の力あるに、聽くもの皆感動したるなり。われは初より隻句を
遺
(
のこ
)
さず
諳
(
そらん
)
じたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
毎日学校への
往
(
ゆき
)
かへりに提灯の名を早くも
諳
(
そらん
)
じ女同士が
格子戸
(
こうしど
)
の立ばなしより耳ざとく女の名を聞きおぼえて、これを御神燈の名に照し合すほどに、いつとなく何家の何ちやんはどんな芸者といふ事
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
余はわが身の今の世に雄飛すべき政治家になるにもよろしからず、またよく法典を
諳
(
そらん
)
じて獄を断ずる法律家になるにもふさわしからざるを悟りたりと思いぬ。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
『聴水簃襍吟』の中に「静中愛聴煮茶声。日与風炉訂好盟。」〔静中聴クヲ愛ス茶ヲ煮ルノ声/日ニ風炉ト好盟ヲ
訂
(
むす
)
ブ〕また房州谷向村の作には「特喜厨婢諳食性。香蔬軟飯薦槃喰。」〔
特
(
た
)
ダ喜ブ厨婢ノ食性ヲ
諳
(
そらん
)
ズルヲ/香蔬軟飯槃喰ヲ薦ム〕
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
諳
漢検1級
部首:⾔
16画
“諳”を含む語句
諳記
諳誦
諳錬
諳厄利亜
諳然
諳算
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