誠忠せいちう)” の例文
てんいまやかの朝日島あさひたうくるしめる櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ誠忠せいちうをばつひ見捨みすてなかつたかと、兩人ふたり不測そゞろ感涙かんるいながるゝやうおぼえて、わたくし垂頭うつむき、武村兵曹たけむらへいそうかほ横向よこむけると、此時このとき吾等われらかたはら
かゝりけれどもほ一ぺん誠忠せいちうこゝろくもともならずかすみともえず、流石さすがかへりみるその折々をり/\は、慚愧ざんぎあせそびらながれて後悔かうくわいねんむねさしつゝ、魔神ましんにや見入みいれられけん、るまじきこゝろなり
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
られ兩人の丹精たんせいかたじけなく思ふなり家來けらいとは思はぬぞやとて夫より伊豆守殿より使者ししやあづか捨置難すておきがたければ親子しんし三人覺悟かくごなし只今既に忠右衞門切腹せつぷくするの所ろ兩人の歸着きちやくこそ神佛しんぶつ加護かごとはいへ全たく誠忠せいちうの致す所なりと物語ものがたられせがれ忠右衞門一代は兩人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)