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詰腹
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つめばら
ふりがな文庫
“
詰腹
(
つめばら
)” の例文
岡林杢之助
(
おかばやしもくのすけ
)
殿なども、昨年切腹こそ致されたが、やはり親類縁者が申し合せて、
詰腹
(
つめばら
)
を斬らせたのだなどと云う風評がございました。
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
喜平次はゆくえが知れません。何でもこの一件が親兄弟にも知れたので、表沙汰にならない先に、屋敷内で
詰腹
(
つめばら
)
を切らされたという噂です。
半七捕物帳:48 ズウフラ怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いわゆる
詰腹
(
つめばら
)
で、社会の制裁が非常に
悪辣苛酷
(
あくらつかこく
)
なため生きて人に顔が合わされないからむやみに安く命を
棄
(
す
)
てるのでしょう。
文芸と道徳
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
雪隠で
詰腹
(
つめばら
)
を切る
体
(
てい
)
だね、誠にはやなんとも謂われねえ
臭気
(
におい
)
だぞ、豪傑に
支
(
つか
)
えたと見えてここらじとじとする。
薄汚
(
うすぎたね
)
え。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
剛勇ではあり、多勢ではあり、案内は
熟
(
よ
)
く知っていたので、
忽
(
たちまち
)
に淀の城を
攻落
(
せめおと
)
し、与二は兄を
一元寺
(
いちげんじ
)
で
詰腹
(
つめばら
)
切らせてしまった。その功で与二は兄の跡に代って守護代となった。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
……主君を
弑
(
しい
)
して城を乗取るところ……忠臣に
詰腹
(
つめばら
)
を切らして酒の
肴
(
さかな
)
に眺めているところ……奥方や若君を毒害して、自分の孫に跡目を取らせるところ……病気の夫を
乾
(
ほ
)
し殺して
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その
攘夷論
(
じょういろん
)
があまり激烈に過ぐるという
廉
(
かど
)
を以て、腹を切らせられた同志もある。金銭上の疑いをかけられて直ちに
詰腹
(
つめばら
)
となったり、いささかも脱隊の形跡があれば直ちに死を与えられる。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
勇三郎樣の惡事を
發
(
あば
)
き、
詰腹
(
つめばら
)
を切らせて、園山家を泰山の安きに置き、
百枝
(
もゝえ
)
樣、乙松樣を金助町にお迎へ申上げた上、改めて名乘つて出て、縛り首なり、なぶり殺しなり、何うでも勝手になつてやる
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「この度の処分はただ一つしかないとわたくしは思う。
玄碩
(
げんせき
)
さんはわたくしの宅で
詰腹
(
つめばら
)
を切らせます。小野さんも、お
姉
(
あね
)
えさんも、三坊も御苦労ながらお
立会
(
たちあい
)
下さい。」言い
畢
(
おわ
)
って貞固は
緊
(
きび
)
しく口を
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
皆々
(
みな/\
)
打寄
(
うちより
)
只今
(
たゞいま
)
御上使と御同道にて御登城有しは迚も御
存命
(
ぞんめい
)
覺束
(
おぼつか
)
なし是は將軍の御手打か又は
詰腹
(
つめばら
)
か兎に角大岡の御家は今日限り
斷絶成
(
だんぜつなる
)
べし行末如何成
事
(
こと
)
やらんと主の身の上より我
行末迄
(
ゆくすえまで
)
も案じやり歎に沈まぬ者もなし扨も
將軍家
(
しやうぐんけ
)
には
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
先殿様の
御葬式
(
おとむらい
)
がすむと間もなく、源太夫様もつづいてお
亡
(
な
)
くなりなすったので、世間では追腹などと申しますが、ほんとうは千之丞様の
親御
(
おやご
)
たちが寄りあつまって
詰腹
(
つめばら
)
を
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「何でもいい、飲まんのだから飲まんのだ、女なんかに何がわかるものか、黙っていろ」「どうせ女ですわ」と細君がタカジヤスターゼを主人の前へ突き付けて是非
詰腹
(
つめばら
)
を切らせようとする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
勇三郎様の悪事を
発
(
あば
)
き、
詰腹
(
つめばら
)
を切らせて、園山家を
泰山
(
たいざん
)
の安きに置き、百枝様、乙松様を金助町にお迎え申上げた上、改めて名乗って出て、縛り首なり、なぶり殺しなり、どうでも勝手になってやる
銭形平次捕物控:051 迷子札
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一同を代表してというのは武士としていかにも腑甲斐ない言い分であるというので、
詰腹
(
つめばら
)
を切らせる代りに、
自腹
(
じばら
)
を切って茶菓子を
奢
(
おご
)
らせられ、その上、自分がその使に行かねばならなくなりました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
詰
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
腹
常用漢字
小6
部首:⾁
13画
“詰”で始まる語句
詰
詰問
詰襟
詰所
詰責
詰寄
詰侍
詰襟服
詰切
詰衆