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融和
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ゆうわ
ふりがな文庫
“
融和
(
ゆうわ
)” の例文
そこが間違っていると云わなければならない。たといこの矛盾を
融和
(
ゆうわ
)
する事が不可能にしても、それを説明する事はできるはずだ。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
狐疑
(
こぎ
)
して
居
(
ゐ
)
るやうな
其
(
その
)
容貌
(
ようばう
)
とは
其處
(
そこ
)
に
敢
(
あへ
)
て
憎惡
(
ぞうを
)
すべき
何物
(
なにもの
)
も
存在
(
そんざい
)
して
居
(
ゐ
)
ないにしても
到底
(
たうてい
)
彼等
(
かれら
)
の
伴侶
(
なかま
)
の
凡
(
すべ
)
てと
融和
(
ゆうわ
)
さるべき
所以
(
ゆゑん
)
のものではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
がその事は秀吉が常に仲に立って、よく双方を
融和
(
ゆうわ
)
してくれるし、「ああしたご気性」というものを話してくれるので、官兵衛にとっては、
寔
(
まこと
)
に気が楽だった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日鮮雑居地で、かなり多くの鮮人とわずか四十家族ばかりの
日人
(
にちじん
)
とが住んでいた。けれど、その日鮮両民族がほんとうに
融和
(
ゆうわ
)
しているのではなく、各自別々の自治体を構成していた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
そして、「何だツて俺の感情は、
此
(
か
)
う
鋭敏
(
えいびん
)
なんだ、恰で
蝟
(
はりねずみ
)
のやうさな。些とでも觸ツたらプリツとする………だから誰とも
融和
(
ゆうわ
)
することが出來ないのよ。何故もそツとおツとりしない。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
自己完成と衆生済度との、
渾然
(
こんぜん
)
融和
(
ゆうわ
)
した象徴でもあった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
内訌
(
ないこう
)
は一時的な
紛糾
(
ふんきゅう
)
にすぎない。幕府は微動もしない。今日の西方寺の花見の宴はよく世上にそれを映す意味においても心からな人と花との
融和
(
ゆうわ
)
でなければならなかった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
卯平
(
うへい
)
は
其麽
(
そんな
)
果敢
(
はか
)
ない
仕事
(
しごと
)
でも、
彼
(
かれ
)
の
身體
(
からだ
)
が
滯
(
とゞこほ
)
りなく
又
(
また
)
勘次
(
かんじ
)
との
間
(
あひだ
)
が
融和
(
ゆうわ
)
されて
居
(
ゐ
)
るならば
彼
(
かれ
)
は
好
(
す
)
きなコツプ
酒
(
ざけ
)
の一
杯
(
ぱい
)
を
傾
(
かたむ
)
ける
序
(
ついで
)
に、
酒
(
さけ
)
を
壜
(
びん
)
に
買
(
かつ
)
て
勘次
(
かんじ
)
に
與
(
あた
)
へることさへ
不自由
(
ふじいう
)
を
感
(
かん
)
じもしなければ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一面に文化人と
融和
(
ゆうわ
)
を計りながら、信長はまた決して、民衆を置き去りにはしなかった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仏教芸術は、貴族生活の殿堂と、ほとんど一つもののように
融和
(
ゆうわ
)
した。堂塔を建築して、寺院をそのまま家として住むがゆえに出家したような出家は、貴族社会の慣いでさえあった。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは玄徳が人間の本性をふかく
観
(
み
)
つめ、自己の短所によく慎み、あくまで他人との
融和
(
ゆうわ
)
に気をつけている
温容
(
おんよう
)
とも心がけともいえるが、悪く解すれば、容易に他人に肚をのぞかせない二重底
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
融
常用漢字
中学
部首:⾍
16画
和
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“融和”で始まる語句
融和流