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薄髯
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うすひげ
ふりがな文庫
“
薄髯
(
うすひげ
)” の例文
声を懸けると三人が三人、三体の
羅漢
(
らかん
)
のように、御者台の上と下に仏頂面を並べたのが、じろりと見て、中にも
薄髯
(
うすひげ
)
のある一体が
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
校長は
薄髯
(
うすひげ
)
のある、色の黒い、目の大きな
狸
(
たぬき
)
のような男である。やにもったいぶっていた。まあ精出して勉強してくれと云って、
恭
(
うやうや
)
しく大きな印の
捺
(
おさ
)
った、辞令を
渡
(
わた
)
した。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
薄髯
(
うすひげ
)
を生やした、少し無精らしい角顔の背の低い男——いつでも眠そうで、無口ですが、そのくせ仕事には至って忠実で、障子も張れば、水も汲むといった肌合の人間です。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
薄髯
(
うすひげ
)
の
二重廻
(
にじゅうまわし
)
が
殊勝
(
しゅしょう
)
らしく席を譲った。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
インキの
壺
(
つぼ
)
を、ふらここの
如
(
ごと
)
くに
振
(
ふ
)
つて、
金釦
(
きんぼたん
)
にひしやげた
角帽
(
かくばう
)
、かまひつけぬ
風
(
ふう
)
で、
薄髯
(
うすひげ
)
も
剃
(
あた
)
らず
遣放
(
やりつぱな
)
しな、
威勢
(
ゐせい
)
の
可
(
い
)
い、
大學生
(
だいがくせい
)
がづか/\と
入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
た。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
薄髯
(
うすひげ
)
を生やした、少し無精らしい角顏の背の低い男——何時でも眠さうで、無口ですが、そのくせ仕事には至つて忠實で、障子も張れば、水も汲むといつた肌合の人間です。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
箱のような
仕切戸
(
しきりど
)
から、眉の迫った、頬の
膨
(
ふく
)
れた、への字の口して、小鼻の筋から
頤
(
おとがい
)
へかけて、べたりと
薄髯
(
うすひげ
)
の生えた、四角な顔を出したのは古本屋の亭主で。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『あゝ、
魅
(
つま
)
まれた……
魅
(
つま
)
まれたんだ。いや、
薄髯
(
うすひげ
)
の
生
(
は
)
へた
面
(
つら
)
で、
何
(
なん
)
とも
面目
(
めんぼく
)
次第
(
しだい
)
もない。』
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私はまた私で、何です、なまじ
薄髯
(
うすひげ
)
の生えた意気地のない
兄哥
(
あにい
)
がついているから起って、相応にどうにか
遣繰
(
やりく
)
って
行
(
ゆ
)
かれるだろう、と思うから、
食物
(
くいもの
)
の足りぬ阿母を、世間でも黙って見ている。
女客
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(誰か妙の事を聞きに来たものはないか。)と云って、お前、車屋でまで聞くんだそうだな。恥しくは思わんか、大きな
態
(
なり
)
をしやあがって、
薄髯
(
うすひげ
)
の生えた
面
(
つら
)
を、どこまで
曝
(
さら
)
して
歩行
(
ある
)
いているんだ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
片手を袴に入れて、粛然として読書する
薄髯
(
うすひげ
)
のあるのを見て
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
髯
漢検1級
部首:⾽
15画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄闇
薄汚
薄氷