“うすひげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薄髯57.9%
薄鬚21.1%
薄髭10.5%
微髭10.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
校長は薄髯うすひげのある、色の黒い、目の大きなたぬきのような男である。やにもったいぶっていた。まあ精出して勉強してくれと云って、うやうやしく大きな印のおさった、辞令をわたした。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くるしいの、淋しいの、乱雲が湧き立ったのという気障きざな言葉は、見どころのある男子の口にせぬものです。とても本気では聞いて居られぬ言葉です。もう薄鬚うすひげも生えているのに、情無い。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
鼻下に薄髭うすひげやし、私より少し年上のように見えたが、でも、緑線を附けた医専の角帽はまだ新しく、帽子の徽章きしょうもまぶしいくらいにきらきら光って、たしかに今秋の新入生に違いなかった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
山田はこう云って食卓ちゃぶだい越しに眼をやった。三十前後の微髭うすひげの生えた精悍せいかんな眼つきをした男が坐っていた。中古ちゅうぶるになった仙台平せんだいひらはかまひだが見えていた。
雨夜続志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)