“薄髭”の読み方と例文
読み方割合
うすひげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大きな天井に届く老婆ばばあの顔が、のしかかって、屏風越びょうぶごしに、薄髭うすひげあごでのぞいている……そのすごさというものは。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鼻下に薄髭うすひげやし、私より少し年上のように見えたが、でも、緑線を附けた医専の角帽はまだ新しく、帽子の徽章きしょうもまぶしいくらいにきらきら光って、たしかに今秋の新入生に違いなかった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
つむぎだか、何だか、地紋のある焦茶の被布を着て、その胡麻塩ごましおです。眉毛のもじゃもじゃも是非に及ばぬとして、鼻の下に薄髭うすひげが生えて、四五本スクとねたのが、見透みすかされる。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)