“若（わ）” の例文
本當（ほんたう）におめえ見（み）てえなもなねえよ、若（わ）けえ時（とき）から毎晩（まいばん）酩酊（よつぱら）つちや後夜（ごや）が鷄（とり）でも構（かま）あねえ馬（うま）曳（ひい）て歸（けえ）つちや戸（と）の割（わ）れる程（ほど）叩（たゝ）いて
土 (旧字旧仮名) ／ 長塚節(著)
「判ってますよ。——だっていいじゃないか。若（わ）ーさんはあんなお人よしで独りでよがっているんだし、たまに逢（あ）うくらい何でもありゃしない。」
縮図 (新字新仮名) ／ 徳田秋声(著)
「面白い話だなァ、若（わ）けえの」わしは、静かに云った。「だが一つ腑（ふ）に落ちねえことがあるから尋ねるが、探険隊が工場の暗闇の中にいたとき、クレーンが轟々（ごうごう）と動いた。 ...
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
稲つけば　かがる吾が手を　今宵もか　とのの若（わ）く子（ご）が　とりて嘆かむ
日本の美 (新字新仮名) ／ 中井正一(著)
うら若（わ）かき頃の、悲しきあこがれ………
恋しき最後の丘 (新字旧仮名) ／ 漢那浪笛(著)
「なあおめえ、こんで俺（お）らも若（わ）けえ時（とき）にや面白（おもしろ）えのがんだよなあ」と爺（ぢい）さんの肩（かた）へ靠（もた）れ掛（かゝ）るものもあつた。
土 (旧字旧仮名) ／ 長塚節(著)
若（わ）ーさんもお前（ま）はんが知っての通り、このごろひどい思惑はずれで蒼（あお）くなっていなさる。傍（はた）で見てもお気の毒でならん。お前はんもあの人の世話でどうやら一人前の芸者になったんだから、こういう時に何とか恩返しを
縮図 (新字新仮名) ／ 徳田秋声(著)
「そんだが勘次（かんじ）さんは本當（ほんたう）に若（わ）けえな。俺（お）ら家（ぢ）のおとつゝあ等（ら）たあ、たえした違（ちげ）えだな」といつた。
土 (旧字旧仮名) ／ 長塚節(著)