“航路(かうろ)” の例文
『いや、いや、如何(どう)考(かんが)へても今時分(いまじぶん)あんな船(ふね)に此(この)航路(かうろ)で追越(おひこ)される筈(はづ)はないのだ。』と見(み)る/\内(うち)に不安(ふあん)の顏色(いろ)が現(あら)はれて來(き)た。
……此(こ)の航路(かうろ)も、おなじやうに難儀(なんぎ)であつた。もしこれを陸(りく)にしようか。約六十里(やくろくじふり)に餘(あま)つて遠(とほ)い。肝心(かんじん)な事(こと)は、路銀(ろぎん)が高値(たか)い。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
『然(しか)し妙(めう)だぞ、今月(こんげつ)の航海表(かうかいへう)によると、今頃(いまごろ)此(この)航路(かうろ)を本船(ほんせん)の後(あと)を追(お)ふて斯(か)く進航(しんかう)して來(く)る船(ふね)は無(な)い筈(はづ)だが。』と小首(こくび)を傾(かたむ)けたが忽(たちま)ちカラ/\と笑(わら)つて
何處(どこ)でも長(なが)い航海(かうかい)では船中(せんちゆう)の散鬱(うさばらし)にと、茶番(ちやばん)や演劇(えんげき)や舞踏(ぶたう)の催(もようし)がある。殊(こと)に歐洲(をうしう)と東洋(とうやう)との間(あひだ)は全世界(ぜんせかい)で最(もつと)も長(なが)い航路(かうろ)であれば斯(かゝ)る凖備(じゆんび)は一層(そう)よく整(とゝな)つて居(を)る。