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舂
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うすず
ふりがな文庫
“
舂
(
うすず
)” の例文
陽の
舂
(
うすず
)
きかけた富士川の水が、松の
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
から
赤銅
(
あかがね
)
いろに見えて来た頃、吉原方面から、鞭を上げて来た騎馬の男があった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
門を出る時も口びるはなおくやしそうに震えていた。日は植物園の森の上に
舂
(
うすず
)
いて、暮れがた近い空気の中に、けさから吹き出していた風はなぎた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
舂
(
うすず
)
く
陽
(
ひ
)
のなかに黒くぽつんと見える一つの屋根と、そして遠方から見ると、まるで大きな
車蓋
(
しゃがい
)
のように見える桑の木。劉備の生れた家なのである。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
冬の日の
舂
(
うすず
)
き隠れる早さを今さらに君はしみじみと思った。
掃除
(
そうじ
)
の行き届かない電球はごみと手あかとでことさら暗かった。それが
部屋
(
へや
)
の中をなお
悒鬱
(
ゆううつ
)
にして見せる。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ゆるやかに、江を下ってくる船の影は、
舂
(
うすず
)
く
陽
(
ひ
)
を負って黒く、徐々と眼の前に近づいてきた。ふつうの客船や貨船とちがい、洛陽船はひと目でわかる。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
西に
舂
(
うすず
)
きだすと日あしはどんどん歩みを早める。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
見ると、なるほど、
舂
(
うすず
)
きかけた曠野の果てから、夕陽を負ってとぼとぼとこっちへ向って来る一群れの人馬がある。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いちめん
芒
(
すすき
)
の
穂
(
ほ
)
であった。
函南
(
かんなみ
)
の
裾野
(
すその
)
は
弛
(
ゆる
)
い傾斜を
曳
(
ひ
)
いて、その果ての遠い町の屋根に、冬日は
舂
(
うすず
)
きかけていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長い日も暮れて、
禿谷
(
かむろだに
)
の講堂にも霧のようなものが流れこんできた。講堂の三方から壁のように見える山の
襞
(
ひだ
)
には、たそがれの陰影が紫ばんで陽は
舂
(
うすず
)
きかけている。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
佐用
(
さよ
)
の三日月へ着いたのは、もう山の瀬に陽も
舂
(
うすず
)
き、何となく、秋の夕べの身に迫る頃だった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ゆうべは
近江
(
おうみ
)
愛知川
(
えちがわ
)
ノ
宿
(
しゅく
)
だった。そして今日も、春の日長にかけて行けば、美濃との境、
磨針峠
(
すりばりとうげ
)
の上ぐらいまでは、脚をのばせぬこともないと、馬上、
舂
(
うすず
)
きかける陽に思う。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いまなお、甲州軍の一部はそこに充満しているらしいが、さもさも、戦はどこにあったかといわぬばかり、城のすがた、山川のたたずまい、すべて平和な光に
舂
(
うすず
)
き濡れていた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
旅の日をかさねて、先の
楊雄
(
ようゆう
)
、石秀、時遷の三人づれは、はや
鄆州
(
うんしゅう
)
ざかいにかかっていた。——その日、
香林洼
(
こうりんあい
)
という一村をすぎて、
舂
(
うすず
)
く
彼方
(
かなた
)
に、一
座
(
ざ
)
の高山を仰いだ頃だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舂
(
うすず
)
く午後の
陽
(
ひ
)
が桃の花の蔭に黒く暮れかけてきた。お菊ちゃんは、座蒲団をすべって
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
赤い帆の
快走船
(
ヨット
)
、白い帆の快走船。また、猫背なヤンコの鉄骨の上には、秋の午後の陽がとろりと
舂
(
うすず
)
いて、C字形の築港に抱かれた港内の海はまるで思春期の
猟虎
(
ラッコ
)
の肌みたいに滑らかだ。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神官達の案内で、
頼朝
(
よりとも
)
の
狩倉
(
かりくら
)
のあとを
質
(
ただ
)
し、白糸の滝を見物し、また、しばし
浮島
(
うきしま
)
ヶ
原
(
はら
)
に馬を立てて、
舂
(
うすず
)
く夕富士にわかれを告げながら、やがて大宮の
宿駅
(
しゅくえき
)
へさしてこの行軍はゆるやかに流れていた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遅々
(
ちち
)
、春の日は、まだ
山科
(
やましな
)
あたり、陽は
舂
(
うすず
)
きもしていなかった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舂
(
うすず
)
く夕陽を浴びて波間を
漕
(
こ
)
いでくる小舟があった。
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うそ寒い秋の
陽
(
ひ
)
は、もう
舂
(
うすず
)
きかけていた。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舂
漢検1級
部首:⾅
11画
“舂”を含む語句
米舂
夕舂日
挽舂
剉焼舂磨
舂米屋
舂女
餅舂
賃舂
舂米部
舂米女
舂杵
舂引音頭
舂屋
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舂入
立舂
稻舂
碓舂
石舂
泉舂