くさる)” の例文
およそ銅鉄の腐るはじめは虫が生ずるためで、「さびるくさるはじめさびの中かならず虫あり、肉眼に及ばざるゆゑ」人が知らないのであるが、これは蘭人らんじんの説であるという説明があって
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
金中かねのなかの虫は肉眼ひとのめにおよばざる冥塵ほこりのごとき虫ゆゑに人これをしらず。およそ銅銕どうてつくさるはじめは虫をしやうず、虫の生じたるところいろへんず。しば/\これをぬぐへば虫をころすゆゑ其所そのところくさらず。
さびるくさるはじめさびの中かならず虫あり、肉眼にくがんにおよばざるゆゑ人しらざる也。(蘭人の説也)金中なほむしあり、雪中虫なからんや。しかれども常をなさゞればとしめうとして唐土もろこししよにもしるせり。
人の凍死こゞえしするも手足の亀手かゞまる陰毒いんどく血脉けちみやくふさぐの也。にはか湯火たうくわねつを以てあたゝむれば人精じんせい気血きけつをたすけ、陰毒いんどく一旦いつたんとくるといへどもまつたさらず、いんやうかたざるを以て陽気やうきいたれ陰毒いんどくにくしみくさる也。