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肯定
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こうてい
ふりがな文庫
“
肯定
(
こうてい
)” の例文
それに
就
(
つ
)
きては
本邦
(
ほんぽう
)
並
(
ならび
)
に
欧米
(
おうべい
)
の
名
(
な
)
ある
霊媒
(
れいばい
)
によりて
調査
(
ちょうさ
)
をすすめた
結果
(
けっか
)
、ドーも
事実
(
じじつ
)
として
之
(
これ
)
を
肯定
(
こうてい
)
しなければならないようであります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と、朝倉先生は、飯島の言うことを
肯定
(
こうてい
)
するというよりは、むしろさえぎるように言って、
眼
(
め
)
をそらした。そしてちょっと思案したあと
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
理に合わなければ、彼等は
得心
(
とくしん
)
しないのだ。しかもその理論は自分たちの観念を基数として立てたものでなければ
肯定
(
こうてい
)
できない。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
顔面
(
かお
)
は判らぬが、髪かたちに、それから又身のまわりの品物などを一々
肯定
(
こうてい
)
したので、轢死婦人は隅田乙吉の妹うめ子であると断定された。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
悟空には、
嚇怒
(
かくど
)
はあっても苦悩はない。歓喜はあっても
憂愁
(
ゆうしゅう
)
はない。彼が単純にこの生を
肯定
(
こうてい
)
できるのになんの不思議もない。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
と私も
肯定
(
こうてい
)
した通り、お互は
未
(
いま
)
だに親友だ。始終
往来
(
ゆきき
)
をしている。
何方
(
どっち
)
も成功しないから、殊に話が合うのかも知れない。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
彼女はそれを
肯定
(
こうてい
)
するように、丁寧に頭を下げた丈けだったが、青年が自分を覚えていて
呉
(
く
)
れたことが、彼女をどんなに
欣
(
よろこ
)
ばしたか分らなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
これがお新の口から引出した
肯定
(
こうてい
)
の言葉でした。そして、斯う言つたのを後悔でもするやうに、お新は顏を
袂
(
たもと
)
に埋めて、母屋の方に驅け出してしまひました。
銭形平次捕物控:197 罠に落ちた女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
で、今夜も時平に詰め寄られると、次第に云うことがしどろもどろに、口の先では否定しながら顔つきでは
肯定
(
こうてい
)
し始めたのであったが、時平が
猶
(
なお
)
も追究すると
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
肯定
(
こうてい
)
の様にもとれます。そうかと思えばまた、まるで無邪気に何事も気づいていない様でもあります。
算盤が恋を語る話
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
寺内氏はその時、老人の持っている主義というか哲学というか、そんなものから、自分の今日までを照らし合わして、なかば
肯定
(
こうてい
)
的なものを感じたとのことであった。
地図にない街
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
私『どうして君はまた、
今日
(
こんにち
)
までそんな事を黙認していたのだ?』三浦『黙認していたのじゃない。僕は
肯定
(
こうてい
)
してやっていたのだ。』私は
三度
(
みたび
)
意外な答に驚かされて
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それとは反対に父の死を
肯定
(
こうてい
)
するような祖母の話が、君子の耳の底にかすかに残っている。
抱茗荷の説
(新字新仮名)
/
山本禾太郎
(著)
肯定
(
こうてい
)
して返辭することは出來なかつた。私の周圍の人たちは、みんな反對の意見を持つてゐた。私は默つてゐた。リード夫人は、私に代つて、意味あり氣に頭を振つて見せた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
凡そ人間の現実に関する限りは、空想であれ、夢であれ、死であれ、怒りであれ、矛盾であれ、トンチンカンであれ、ムニャムニャであれ、何から何まで
肯定
(
こうてい
)
しようとするものである。
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
しぶんもそのひとりだと反省して、
自己嫌悪
(
じこけんお
)
の情がわく。だが、それは強くない、心のどこかで、こういう種類のことが、人の生きていくためには、
肯定
(
こうてい
)
されるのだと、春吉君には思えるのであった。
屁
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
その通りであると
肯定
(
こうてい
)
しているものの如くである。そして彼は彼の考えどおり軍を進ませた。
隴右
(
ろうゆう
)
の大路へ出でて正攻法を取ったものである。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かれは、むろん、大河の言葉のすべてを
肯定
(
こうてい
)
した。しかし、肯定すればするほど、やり場のない感情がかれの胸をしめつけ、ゆすぶり、にえたぎらした。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
瑠璃子
(
るりこ
)
夫人は、事もなげに打消した。美奈子は、母が先刻自分に
肯定
(
こうてい
)
したことを、こうも安々と、打ち消しているのを聴いたとき、内心少からず驚いた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それを聽いてゐる多勢の人の顏には、孝吉の言葉を
肯定
(
こうてい
)
する色がはつきりと現はれてゐるのです。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手段
(
しゆだん
)
を選ばないといふ事を
肯定
(
こうてい
)
しながらも、この「すれば」のかたをつける爲に、
當然
(
たうぜん
)
、その後に來る可き「
盗人
(
ぬすびと
)
になるより外に
仕方
(
しかた
)
がない」と云ふ事を、
積極的
(
せきゝよくてき
)
に肯定する丈の
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一応、意見として、聞いている顔はしていたが、信長は、勝家などのいう理論に、決して
肯定
(
こうてい
)
したのではない。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その眼は
脅
(
おび
)
えきっておりますが、平次の問いを
肯定
(
こうてい
)
も否定もしようとはしません。
銭形平次捕物控:182 尼が紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
肯定
(
こうてい
)
に伴ふ「とても」は東京の言葉ではない。東京人の古来使ふのは「とても及ばない」のやうに否定に伴ふ「とても」である。近来は肯定に伴ふ「とても」も盛んに行はれるやうになつた。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ごもっともでござる」親鸞は、国時のことばを大きく
肯定
(
こうてい
)
しながら、すぐにまた
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次はそれには
肯定
(
こうてい
)
も否定も與へませんでした。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かれは、
諦
(
あきら
)
めるよりほかない所へさびしい
肯定
(
こうてい
)
を落して
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“肯定”の意味
《名詞》
質問などに対し、そのとおりであるとのべること。
物事の意義を認めること。
(出典:Wiktionary)
肯
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
定
常用漢字
小3
部首:⼧
8画
“肯定”で始まる語句
肯定者