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美濃路
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みのじ
ふりがな文庫
“
美濃路
(
みのじ
)” の例文
「諸国から、その都度、
細々
(
こまごま
)
とそちの見聞は書面で受け取っておるが、
美濃路
(
みのじ
)
へはいってからは便りがないので——実は案じていた折じゃ」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
美濃路
(
みのじ
)
よりする松雲の一行が中津川宗泉寺老和尚の付き添いで、
国境
(
くにざかい
)
の
十曲峠
(
じっきょくとうげ
)
を上って来た時
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
百足山
(
むかでやま
)
昔に変らず、
田原藤太
(
たわらとうた
)
の名と共にいつまでも
稚
(
おさな
)
き耳に響きし事は忘れざるべし。湖上の景色見飽かざる間に彦根城いつしか後になり、
胆吹山
(
いぶきやま
)
に綿雲這いて
美濃路
(
みのじ
)
に入れば空は雨模様となる。
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
広き都に置きかね
漂泊
(
ただよい
)
あるきの渡り大工、段々と
美濃路
(
みのじ
)
を
歴
(
へ
)
て
信濃
(
しなの
)
に
来
(
きた
)
り、折しも
須原
(
すはら
)
の長者何がしの隠居所作る手伝い柱を削れ羽目板を
付
(
つけ
)
ろと
棟梁
(
とうりょう
)
の
差図
(
さしず
)
には従えど、
墨縄
(
すみなわ
)
の
直
(
すぐ
)
なには
傚
(
なら
)
わぬ
横道
(
おうどう
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「天蔵の一味は、手下を加えて約七十人ばかりの同勢。
東春日井
(
ひがしかすがい
)
の山道へかかって、
美濃路
(
みのじ
)
へ逃げ越えてゆくらしい足どり」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
洋服に
草鞋穿
(
わらじばき
)
で、寂しい旅人のように、三吉は村へ入った。ずっと以前大火があって駅路の
面影
(
おもかげ
)
もあまり残っていなかった。そこは
美濃路
(
みのじ
)
の方へ下りようとする山の頂にあった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
病骨をのせた馬は、二夜の泊りを経て、
美濃路
(
みのじ
)
へ入った。そしてすぐ西の山中へ
驢
(
ろ
)
のように
鈍
(
にぶ
)
い脚ですすんでゆく。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幸い京都
麩屋町
(
ふやまち
)
の
伊勢久
(
いせきゅう
)
は年来懇意にする染め物屋であり、あそこの養子も注文取りに
美濃路
(
みのじ
)
を上って来るころであるから、それまでにあつらえる品をそろえて置きたいと言った。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
日吉は、この夏、着て歩いていた、針売りの行商着をそのまま着て、少しばかりの荷を背中に負い、油屋の七内とは、道中の道づれという
態
(
さま
)
で、
美濃路
(
みのじ
)
へ向った。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この馬籠訪問には、彼女はめったに離れたことのない木曾福島の家を離れ、子供も連れずであった。ただ商用で
美濃路
(
みのじ
)
まで行くという
薬方
(
くすりかた
)
の手代に途中を見送ってもらうことにした。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
日程
(
ひどり
)
にすれば、もうとくに
美濃路
(
みのじ
)
に入っている筈だが、道者船にのりあわせるには、向うでだいぶ待つことになるので、わざと道を
迂回
(
うかい
)
して、
屋代上田
(
やしろうえだ
)
などに旧知の剣友をたずね
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三月にはいって、めずらしい春の大雪は街道を
埋
(
うず
)
めた。それがすっかり溶けて行ったころ、かねて上京中であった同門の人、
伊那
(
いな
)
南条村の
館松縫助
(
たてまつぬいすけ
)
が
美濃路
(
みのじ
)
を経て西の旅から帰って来た。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
伊勢路
(
いせじ
)
、
美濃路
(
みのじ
)
、いずこといえど、この大戦場の十里四方、
柵門
(
さくもん
)
のないところはない。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半蔵らがそんな話を耳にしたのは
美濃路
(
みのじ
)
にはいってからであるが、その道を帰って来るころは、うわさのある中津川辺へはまだかなりの距離があり、真偽のほどすら判然とはしなかった。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
公儀の
御茶壺
(
おちゃつぼ
)
同様にとの特別扱いのお触れがあって、名古屋城からの
具足
(
ぐそく
)
長持
(
ながもち
)
が
十棹
(
とさお
)
もそのあとから続いた。それらの警護の武士が
美濃路
(
みのじ
)
から借りて連れて来た人足だけでも、百五十人に上った。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
美濃路
(
みのじ
)
へ来ても知れないので、彼は、小次郎の言を思い出して
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これまでの、
美濃路
(
みのじ
)
から
尾張
(
おわり
)
へ出るのを一変して
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“美濃路”の解説
美濃路(みのじ)は、江戸時代に東海道・宮宿と中山道・垂井宿とを結んだ脇往還(脇街道)である。
(出典:Wikipedia)
美
常用漢字
小3
部首:⽺
9画
濃
常用漢字
中学
部首:⽔
16画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“美濃”で始まる語句
美濃
美濃紙
美濃守
美濃国
美濃部
美濃境
美濃國
美濃守殿
美濃屋
美濃清