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ふりがな文庫
“
縦
(
ほしい
)” の例文
旧字:
縱
温厚なる
二重瞼
(
ふたえまぶた
)
と先が少々逆戻りをして根に近づいている鼻とあくまで
紅
(
くれな
)
いに健全なる顔色とそして自由自在に運動を
縦
(
ほしい
)
ままにしている舌と
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして自由自在に運動を
縦
(
ほしい
)
ままにしている舌と、舌の両脇に流れてくる白き唾とを暫くは無心に見詰めていたが
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
そしてその繁殖はその梅の実が自ら地に落ち、すなわちそこに自然に仔苗が生えて
縦
(
ほしい
)
ままに生長するのである。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
己達は昔のやうに又島の倶楽部の卓を囲むことになり、それよりは
屡
(
しば/\
)
博奕の卓を囲むことになつた。紙で拵へた仮面は己達の顔を掩つた。己達は興を
縦
(
ほしい
)
ままにした。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
わたくしは筆を
行
(
や
)
るに当つて事実を伝ふることを
専
(
もつぱら
)
にし、
努
(
つとめ
)
て叙事の想像に
渉
(
わた
)
ることを避けた。客観の上に立脚することを欲して、復主観を
縦
(
ほしい
)
まゝにすることを欲せなかつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
僕は図の如く得意となつて朝夕のドライヴを
縦
(
ほしい
)
まゝにしてゐるが、そしてはじめのうちは野良通ひの馬に出遇ふ度に非常に胆を冷したものだつたが、近頃の馬は見向きもしないので吻つとした。
写真に添えて:(都の友へ送つた手紙)
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
頂上にのぼり尽きたるは
真午
(
まひる
)
の頃かとぞ覚えし、
憩所
(
やすみどころ
)
の
涼台
(
すゞみだい
)
を借り得て、老畸人と共に
縦
(
ほしい
)
まゝに睡魔を飽かせ、
山鶯
(
うぐひす
)
の声に驚かさるゝまでは天狗と
羽
(
は
)
を并べて、
象外
(
しやうぐわい
)
に遊ぶの夢に余念なかりき。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
先づ廟前の
牌障
(
はいしやう
)
の上に立つて、港内の展望を晴空の下に
縦
(
ほしい
)
ままにしたのは快心の事であつた。廟には道士を招いて住ませてある。予等は茲に初めて道教の廟と道士と、其れの誦する経巻とを目にした。
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
世話好な夫人は、この若い二人を喰っつけるような、また引き離すような
閑手段
(
かんしゅだん
)
を
縦
(
ほしい
)
ままに
弄
(
ろう
)
して、そのたびにまごまごしたり、または
逆
(
のぼ
)
せ
上
(
あが
)
ったりする二人を眼の前に見て楽しんだ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
諸書の伝ふる所は渡辺氏の「阿部正弘事蹟」に列記してあるが、要は正弘が政局に
艱
(
なや
)
み、酒色を
縦
(
ほしい
)
ままにして自ら
遣
(
や
)
つたと云ふにある。わたくしは此に一例として徳川斉昭の
言
(
こと
)
を引く。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
夏の
夜
(
よ
)
の月
円
(
まる
)
きに乗じて、
清水
(
きよみず
)
の堂を
徘徊
(
はいかい
)
して、
明
(
あきら
)
かならぬ
夜
(
よる
)
の色をゆかしきもののように、遠く
眼
(
まなこ
)
を
微茫
(
びぼう
)
の底に放って、幾点の
紅灯
(
こうとう
)
に夢のごとく
柔
(
やわら
)
かなる空想を
縦
(
ほしい
)
ままに
酔
(
え
)
わしめたるは
京に着ける夕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女の姿は
先刻
(
さっき
)
風呂場で会った婦人ほど
縦
(
ほしい
)
ままではなかった。けれどもこういう場所で、客同志が互いに黙認しあうだけの自由はすでに利用されていた。彼女は正式に幅の広い帯を結んでいなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“縦”の意味
《名詞》
(たて)平面では上下に、立体では前後に貫く方向。
《形容動詞》
(ほしいまま)自分の思い通りに行動するさま。
(出典:Wiktionary)
“縦(縦と横)”の解説
縦(たて)は主に垂直や前後の方向を、横(よこ)は主に水平や左右の方向を指す語である。
縦と横は対義語である。
(出典:Wikipedia)
縦
常用漢字
小6
部首:⽷
16画
“縦”を含む語句
縦令
放縦
縦横
操縦
放縦不羈
淫縦
操縦席
放縦無頼
縦覧
一擒一縦
縦様
放縦不覊
縦横十文字
縦縞
縦横無尽
横縦
擒縦
縦皺
先縦
縦横無碍
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