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粹
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いき
ふりがな文庫
“
粹
(
いき
)” の例文
新字:
粋
……つい
此
(
こ
)
の
間
(
あひだ
)
、
弴
(
とん
)
さんに
逢
(
あ
)
つて、
其
(
そ
)
の
話
(
はなし
)
が
出
(
で
)
ると、
十圓
(
じふゑん
)
と
怯
(
おど
)
かすより
九九九
(
くうくうくう
)
と
言
(
い
)
ふ
方
(
はう
)
が、
音〆
(
ねじめ
)
……は
粹
(
いき
)
過
(
す
)
ぎる……
耳觸
(
みゝざは
)
りが
柔
(
やはら
)
かで
安易
(
あんい
)
で
可
(
よ
)
い。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
浴衣は秋草を染め出した中形で、なか/\に
粹
(
いき
)
なものですが、袖を半分から下、刄物で切り捨て、下の方には物凄いほど血が
飛沫
(
しぶ
)
いてをります。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
粹
(
いき
)
がつたり、
通
(
つう
)
がつたりする趣味は全然無かつたし、女と見れば物にしないでは置かない人々の所業も、彼の内部にひそむ人道主義が許さなかつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
は、は、これでは
浴場美術
(
おふろばびじゆつ
)
ではなく浴場哲學? になつちまふ。せめて
粹
(
いき
)
な女の人だけは、おふろにはいる時も、小唄の女の氣持ちでね、なんて、千九百三十年なのに——
春
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
暢然
(
ゆつたり
)
歩いたり、急いで歩いたり、電車にも乘つたし、見た事のない、狹い横町にも入つた。車夫にも怒鳴られたし、ミルクホールの中を覗いても見た。一町ばかり
粹
(
いき
)
な女の跟をつけても見た。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
粹
(
いき
)
なところが、ひとつも無い。
お伽草紙
(旧字旧仮名)
/
太宰治
(著)
何方かにするが宜い——あの
粹
(
いき
)
な渡し島田を剃り落すのは可哀相だが、首が無くなるよりはそれでも
益
(
まし
)
だらう。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
名案
(
めいあん
)
はないかな——こゝへ、
下町
(
したまち
)
の
姉
(
ねえ
)
さんで、つい
此間
(
このあひだ
)
まで、
震災
(
しんさい
)
のために
逃
(
に
)
げて
居
(
ゐ
)
た……
元來
(
ぐわんらい
)
、
靜岡
(
しづをか
)
には
親戚
(
しんせき
)
があつて、
地
(
ち
)
の
理
(
り
)
に
明
(
あきら
)
かな、
粹
(
いき
)
な
軍師
(
ぐんし
)
が
顯
(
あら
)
はれた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その婦人が勝れて美しいといふ方では無かつたけれど四圍と調和しない程
粹
(
いき
)
なからだつきで、泣いた頬におくれ毛のへばりついたまゝ、冷々として見送の人を見てゐたのである。
山を想ふ
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「一軒目は學者で、
都々逸
(
どゞいつ
)
も雜俳も心得てゐる、恐ろしく
粹
(
いき
)
な先生。足も身體も惡いが、昔は御武家だつたさうで、大澤傳右衞門、お家を狙ふ曲者見たいな名をして居る」
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
粹
(
いき
)
で、世間馴てゐて、人一倍情愛が深く、一口にいへば
粹
(
すゐ
)
も甘いも噛みわけた人だらうと想い描いて居たのであつたが、現實の作家は、骨組のたくましい髯男で、みなりなんぞはぢゞむさく
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
成程、
俳諧
(
はいかい
)
の一つ位は
捻
(
ひね
)
りさうな、質屋の亭主にしては、肌合の
粹
(
いき
)
な男。錢形の平次と聞いて、いくらか冷靜さを取戻したものか、身投女の後ろから、こんな事を言つて居ります。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何處が
粹
(
いき
)
なんだか、すつきりしてゐるのだかわからなかつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
お靜の
着換
(
きがへ
)
には相違ありませんが、お樂が着ると、銘仙も木綿も
粹
(
いき
)
になるのでした。洗ひ髮に、赤い/\唇、猪口に
觸
(
さは
)
ると其儘酒も紅になりさうな、それは何といふ官能的な
魅惑
(
みわく
)
でせう。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
粹
部首:⽶
14画
“粹”を含む語句
生粹
純粹
不粹
粹好
無粹
理科會粹
粉粹
粹樣
粹背肌
粹興
純粹否定