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笑窪
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えくぼ
ふりがな文庫
“
笑窪
(
えくぼ
)” の例文
と、やけに聴えぬ程度に呟いて、アバタの上に
笑窪
(
えくぼ
)
を泛べたりしていたので、佐助は阿諛の徒以上に好かれ、城中の女共の中には
猿飛佐助
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
其夜の夢に
逢瀬
(
おうせ
)
平常
(
いつも
)
より嬉しく、胸あり
丈
(
た
)
ケの
口説
(
くぜつ
)
濃
(
こまやか
)
に、恋
知
(
しら
)
ざりし珠運を
煩悩
(
ぼんのう
)
の
深水
(
ふかみ
)
へ導きし
笑窪
(
えくぼ
)
憎しと云えば、
可愛
(
かわゆ
)
がられて喜ぶは浅し
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
が、左右の端に、深い
笑窪
(
えくぼ
)
ができているので酷薄の味を緩和している。
顎
(
あご
)
の中央を
地閣
(
ちかく
)
というが、そこの窪味がきわだって深い。これは剣難の相である。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
葉子は少しいたずららしい微笑を
笑窪
(
えくぼ
)
のはいるその美しい顔に軽く浮かべながら、階段を足早に降りて行った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
何を不足の我が涙、浅い世間の推量は、まだもましかや、術なやと。世の蔭口にも謹しみの
笑窪
(
えくぼ
)
加へて侍れば。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
▼ もっと見る
お定は打見には
一歳
(
ひとつ
)
も
二歳
(
ふたつ
)
も若く見える方で、背恰好の
婷乎
(
すらり
)
としたさまは、農家の娘に珍らしい位、丸顏に黒味勝の眼が大きく、鼻は高くないが
笑窪
(
えくぼ
)
が深い。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
すると日本左衛門の人さし指が、横を向いたお蝶の、ちょうど
笑窪
(
えくぼ
)
の辺りを軽く押して
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ほんまに好い
芸妓
(
げいこ
)
さんになりゃはりましたでっしゃろ。この
妓
(
ひと
)
にも、好きな人がひとりあるのっせ」と、軽く
弄
(
からか
)
うようにいうと、若奴は優しい顔に
笑窪
(
えくぼ
)
を見せて
羞
(
はず
)
かしそうにしながら
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
小さい
笑窪
(
えくぼ
)
のある
両頬
(
りょうほお
)
なども熟した
杏
(
あんず
)
のようにまるまるしている。………
点鬼簿
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さぞかしおどろくかと思いのほかに、ちらりと
幽
(
かす
)
かに
笑窪
(
えくぼ
)
を見せながら、ずいとひと足うしろに退ると、不敵なことに得物は同じ鉄扇なのでした。しかも、声がまたたまらなく落付いているのです。
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
良人の画家に「大陸的」と
極
(
き
)
めをつけられてよいのか悪いのか
判
(
わか
)
らないが、気に入った批評として
笑窪
(
えくぼ
)
に入った檜垣の主人まで「そういえば、なるほど、君の芸術は味だな」と
相槌
(
あいづち
)
を打つ苦々しさ。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と言う言葉が口をついて出ると、随分とこの洒落にわれながら気をよくして思わず笑えば
笑窪
(
えくぼ
)
がアバタにかくれて、信州にかくれもなきアバタ面を、しかし棚にあげて
猿飛佐助
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
實際藤野さんは、今想うても餘り類のない程美しい兒だつたので、前髮を眉の邊まで下げた顏が圓く、黒味勝の眼がパッチリと明るくて、色は飽迄白く、笑ふ毎に
笑窪
(
えくぼ
)
が出來た。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
耳には子供のアクセントが焼き付いた。目には、曲がり
角
(
かど
)
の朽ちかかった
黒板塀
(
くろいたべい
)
を
透
(
とお
)
して、木部から
稟
(
う
)
けた
笑窪
(
えくぼ
)
のできる
笑顔
(
えがお
)
が否応なしに吸い付いて来た。……乳房はくすむったかった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
返らぬとかねて思えばあずさ弓、なき面に蜂のおかしさに、つい笑ってしまったが、笑えば
笑窪
(
えくぼ
)
がアバタにかくれる、信州にかくれもなきアバタ男、鷲塚の佐助とは、俺のことだ
猿飛佐助
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
“笑窪(えくぼ)”の解説
えくぼ(笑窪、靨、ゑくぼ)は、人が笑うとき、頬にできる小さなくぼみのこと。
(出典:Wikipedia)
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
窪
漢検準1級
部首:⽳
14画
“笑”で始まる語句
笑
笑顔
笑止
笑談
笑靨
笑声
笑顏
笑聲
笑止千万
笑味