私達わたくしたち)” の例文
そしてちちのつもりでは、私達わたくしたち夫婦ふうふあいだ男児だんしうまれたら、その一人ひとり大江家おおえけ相続者そうぞくしゃもらける下心したごころだったらしいのでございます。
およわたくしの釣れたためしが無いというんだからいけません、私達わたくしたちのアただぽん/\放り込んでうきの動くのを見て居るだけですから面白くも何とも有りません
乗物のりもの支度したくもなかつたので、私達わたくしたちはぞろ/\打揃うちそろうてそとた。そしてえんタクでもとおりかゝつたらばとおもつて、さびしいNまちとおりを、Tホテルのほうへとあるいた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「なに、その原口はらぐちさんが、今日けふ見にて入らしつてね。みんなを写生してゐるから、私達わたくしたちも用心しないと、ポンチにゝれるからつて、野々宮さんがわざ/\注意してくだすつたんです」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
で、自然しぜん私達わたくしたち対話はなしんでからのち事柄ことがらかぎられることになりました。わたくし真先まっさきにいたのは良人おっと死後しご自覚じかく模様もようでした。——
さしてりとめのない事柄ことがらでも、うしてしたしくかたってりますと、私達わたくしたちあいだにはうにわれぬたのしさがこみげてるのでした。