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確
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し
ふりがな文庫
“
確
(
し
)” の例文
心持照れ臭さげにしながらも、盛子は快活などこか家庭的な
確
(
し
)
つかりさといつた風なものを現して、この一日造りの漁師達を眺めた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
碧色の瞳は何処と信って
確
(
し
)
っかり見詰めないような平静な光りを
漾
(
ただ
)
よわせて居る。が、時折り突き入るように
尖
(
とが
)
ってきらめくこともある。
決闘場
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
白刃一閃、そこを藤吉、足を上げて蹴る、起きる、暗いから
所在
(
ありか
)
もよくは解らないが、猛然と跳りかかったら、運よく
確
(
し
)
かと抱きついた。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
モリに太い綱をつけて、その端を
確
(
し
)
かと岩角へ結びつけ、春光に背を暖めながら昼寝してゐる牝に、グサとモリを打込んだ。牝牡は共に仰天した。
東京湾怪物譚
(新字旧仮名)
/
佐藤垢石
(著)
淑
(
しと
)
やかだと云ふだけでは済まない、非常時に際して充分適当な態度をとれるやう
確
(
し
)
つかりした女にならなくてはいけないと云ふやうな事も教へます。
内気な娘とお転婆娘
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
▼ もっと見る
その
刺叉形
(
さすまたがた
)
をした
鬼箭
(
おにや
)
が、
確
(
し
)
かと棧の間に喰い入っていたので、また後尾の
矢筈
(
やはず
)
に絡みついている彼女の頭髪も、これまた執拗に離れなかったので
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
それから
確
(
し
)
かとききとれない叫喚が原因不明のけたたましい物音と前後して響いてきた。それは弥生の声であつた。改めて草吉を呼んだ声もきこえた。
蒼茫夢
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
確
(
し
)
かと肯定した眼差しです。少し
痩立
(
やせだ
)
ちの淋しい姿ですが、目鼻立ちも端麗に、いかにも聡明そうで、道楽者の半次郎には、幾らか煙たがられるといった様子があります。
銭形平次捕物控:128 月の隈
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
幾筋かの針金をより合せた太い綱索が大きな岩に
確
(
し
)
かと巻き付けて雪渓に垂れ下げてある。夫を手繰って下を覗き込むと、谷も狭しと拡がった大雪渓が涯もなく続いている。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
独逸
(
ドイツ
)
語ですって澄ましたものだ、それから今度は調子にのって、御前の言葉は文法が
異
(
ちが
)
う、こう云うんだろうなんて、
一々
(
いちいち
)
混ぜかえすと、
確
(
し
)
っかりした根柢はないんだから、散々考えて
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
「弱ッちまッちゃいけない。それじゃ亭主に逢えんぞ。
確
(
し
)
ッかりしなさい」
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
で、その糸をうんと
確
(
し
)
つかりとしたものにしなければならない。そこでじよらうぐもは、糸の両端をよく粘りつかせる。それから一方の端からも一方の端へと糸の上を行つたり来たりしはじめる。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
「しっかり抑えていて頂戴よ。そう、両脚をね、
確
(
し
)
っかりとね」
人間製造
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
雪雲に閉ざされた空を
確
(
し
)
かとつかんでいるように見えた。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
之をまともに
確
(
し
)
かと見て、巧みに避けしヘクトール
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
海外貿易もその一つである。嘉六という番頭が
確
(
し
)
っかりもので、理兵衛の妻も外戚の能登屋のおじというのも下町式にいわゆる出来た人物である。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
少し
確
(
し
)
つかりしてゐるものなら、たとへ口へ出して詰責しないまでも、態度で
詰
(
なじ
)
れば大抵逃げて行くものなのです。
内気な娘とお転婆娘
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
滲み出る汗と共に何かしら揉まれしぼり出される身内の或る物——それらは彼の幼時の記憶に
確
(
し
)
つかりと結びついて、その頃の漠とした幸福感を近々と思ひ出させた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
反対の端の方には三尺ほどの丈夫な
真田紐
(
さなだひも
)
が
確
(
し
)
かと結えてあったのです。
銭形平次捕物控:127 弥惣の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あの年寄りは
確
(
し
)
つかり者だから」と言つたが、卯女子にはその意味が解るやうで解らなかつた。
鳥羽家の子供
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
離して逃げられでもしたらと用心して
確
(
し
)
っかり握りしめてついて来た加奈江は、必死に手に力をこめるほど
往時
(
むかし
)
の恨みが
衝
(
つ
)
き上げて来て、今はすさまじい気持ちになっていた。
越年
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
確
(
し
)
かとは申し上げられませんが、あれほど
鮮
(
あざ
)
やかな藝當は、女一人の手で出來るわけは御座いません。それにあの繼母のお瀧つて女は、どうしてもそんな惡婆とは思はれないので御座います」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お前が第一
確
(
し
)
つかりしてゐないからこの年になつて、嫁にまで馬鹿にされるのだよ、自分さへのんきにしてゐれば、他人はどうでも構まはない気かもしれないけれど、さうはなか/\ゆきませんよ
惑ひ
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
気儘
(
きまま
)
な妄想を払つて不具に直面し、不具の実在性を
確
(
し
)
つかり見詰めよといふのであつた。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
確
(
し
)
かとは申し上げられませんが、あれほど鮮やかな芸当は、女一人の手で出来るわけはございません。それにあの継母のお滝って女は、どうしてもそんな
悪婆
(
あくばば
)
とは思われないのでございます」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その中に野や山と同じに自然に
確
(
し
)
つかりと地面に立つて現れる物がある。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
北国寄りのF——町の表通りに、さまで大きくはないが
確
(
し
)
っかりした呉服店の老舗があった。お蘭という娘があった。四郎はこの娘が好きでF——町へ来ると、きっとこの呉服店へ立寄った。
みちのく
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
阿闍梨『して、引換えの礼物ほ、
確
(
し
)
かと持参いたしたな』
取返し物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
“確”の意味
《形容動詞》
(カク) 確かであるさま。はっきりしているさま。
《形容動詞》
(しかと、しっかと) 確かであるさま。はっきりしているさま。
(しっか-り) 確かであるさま。
(出典:Wiktionary)
確
常用漢字
小5
部首:⽯
15画
“確”を含む語句
確乎
確然
的確
確固
明確
正確
確的
確證
確証
不確
確実
確執
確信
確率
適確
精確
確定
不正確
確實
確認
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