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めぼ
ふりがな文庫
“
目星
(
めぼ
)” の例文
『もうたくさんだ。いくら
目星
(
めぼ
)
しいからって洗いざらい持って行かれるものじゃあない。自動車も待っておるんだ。さあ
端艇
(
ボート
)
に乗ろうよ』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
昔は様々の手仕事が藩から特別の保護を受けたでありましょうが、どういうものか
目星
(
めぼ
)
しいものは数多くは残されておりません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そして学生の言ふ通りに、京都の
目星
(
めぼ
)
しい靴屋の名前を一々克明に書き取つて、最後にアメリカ大陸発見にも比べられる記録の正確さを持つて
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
松下サーカスは
目星
(
めぼ
)
しい芸人が召集でも受けているのか、座頭の他には大人がなく、非常に下手で、半分ぐらい飛び移りそこねて墜落してしまう。
青春論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
何しろ此の家の財産の
目星
(
めぼ
)
しい物といふ物が殘らずさらけ出してあるのだが、其れが始末好く
取片付
(
とりかたつ
)
けられてゐるから、
其處
(
そこら
)
がキチンと締ツて
清潔
(
せいけつ
)
だ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
片端
(
かたっぱし
)
から迷宮に
逐
(
お
)
い込んだのだろう……なんかと思い思い、そんな迷宮事件や
尻切蜻蛉
(
しりきれとんぼ
)
事件の一つ一つを点検して行くと、
目星
(
めぼ
)
しい記事がタッタ一つ見付かった。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
売れ残りの年増ばかりで、少し
目星
(
めぼ
)
しい
妓
(
こ
)
は、あるいは引かされ、あるいは住替えはいいとして、癲癇もちはお神も後難を恐れて、うんと負けて信州へ住替えさせ
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
だが、奥書院まで、幾室かの
間数
(
まかず
)
を通って検分したところでは、格別
目星
(
めぼ
)
しい品物もなく、奇抜な仕返しの手段も思い当らないので、今かれは、
床
(
とこ
)
の間に腰をおろすと
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
された。君の三年は他の人たちの六、七年にも相当しよう。もはや国へ帰っても、さして彫刻家として恥ずかしからぬと思われる。それにつけて帰国する前に何か
目星
(
めぼ
)
しい作をしては如何……
幕末維新懐古談:78 谷中時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
だが、どうせ頭を下げるのなら大石医院だけでなく
目星
(
めぼ
)
しいところをあらかた廻つてやらう、叮寧にやつたところでどつちみち損はないわけだと、この打算力に富んだ若い医師は考へついた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
部屋にはこれといって
目星
(
めぼ
)
しい調度はない。卓子の上に灰皿と煙草があった。男の足下に新聞と、立消えになった巻煙草の呑さしが落ちている。その吸殻と卓上の煙草とは同一のマークがついている。
日蔭の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
とくに
目星
(
めぼ
)
しい
発見
(
はっけん
)
は
何
(
なに
)
もない。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
遠江の都は浜松で、ここは誰も知る機業の地、激しいほど機の音を町々に聞きます。しかしこれとて
目星
(
めぼ
)
しい手仕事の跡を見ることは出来ません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
目星
(
めぼ
)
しいものは爆破の前に没収されて影をとどめず、ただ、頂上の瓦には成程金線の模様のはいった瓦があったり、酒樽ぐらいの石像の首が石段の上にころがっていたり
日本文化私観
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
銀座がネオンとジャズで
湧
(
わ
)
き返るような
熱鬧
(
ねっとう
)
と
躁狂
(
そうきょう
)
の
巷
(
ちまた
)
と化した時分には、彼の手も次第にカフエにまで延び、
目星
(
めぼ
)
しい女給で、その
爪牙
(
そうが
)
にかかったものも少なくなかったが、学生時代には
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「あすこが哲学、それから文芸、神学——とまあ、東西古今の書物で
目星
(
めぼ
)
しいものだけは残らず集めてあるがね。困つたのは火事だて。」と博士は火災保険の会社員のやうに一寸眉を
顰
(
しか
)
めて
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
青山銀之丞は、宝暦元年の冬、御書院の宝物お
検
(
あらた
)
めの日が近付く前に、今までの罪の露見を恐れ、当座の小遣のために又も
目星
(
めぼ
)
しい宝物を二三品引っ抱えて、
行衛
(
ゆくえ
)
を
晦
(
くら
)
ましてしまったのであった。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
紅型
(
びんがた
)
の方は早くから評判があって、沢山内地に渡ったためか、そう
目星
(
めぼ
)
しいものは数ありませんでしたが、これに引きかえ織物の方はほとんど未踏地と呼んでもよく、
贅沢
(
ぜいたく
)
な選択を楽々と致しました。
沖縄の思い出
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
星
常用漢字
小2
部首:⽇
9画
“目”で始まる語句
目
目的
目出度
目前
目標
目貫
目覚
目論見
目下
目論