“躁狂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうきょう77.8%
さうきやう22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
陽気な声を無理に圧迫して陰欝いんうつにしたのがこの遠吠である。躁狂そうきょうな響を権柄けんぺいずくで沈痛ならしめているのがこの遠吠である。自由でない。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし不遠慮に言えば、百物語の催主が気違みた人物であったなら、どっちかと云えば、必ず躁狂そうきょうに近い間違方だろうとだけは思っていた。
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
上木屋町かみきやまちのお茶屋で、酒を飲んでゐたら、そこにゐた芸者が一人、むやみにはしやぎ廻つた。それが自分には、どうも躁狂さうきやう下地したぢらしい気がした。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
嗚呼、是れ皆熱の爲めに發せし譫語うはごとのみ、苦痛の餘なる躁狂さうきやうのみ。我に心の光明を授け給ひし神よ、我運命の柄を握り給ふ神よ。我は御身の我罪を問ひ給ふことの刻薄ならざるべきを知る。