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病勞
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やみつか
ハタと
睨んで
汝までが
同じやうに
何の
囈語最早何事聞く
耳もなし
汝が
追ひ
出さずば
我れ
自身にと
止むる
妻を
突のけつゝ
病勞れても
老の
一徹上りがまちに
泣頽れしお
高が
細腕むづと
取りつ
力を
生甲斐なや
五尺の
身に
父母の
恩荷ひ
切れずましてや
暖簾の
色むかしに
染めかへさんはさて
置きて
朝四暮三のやつ/\しさにつく/″\
浮世いやになりて
我身捨てたき
折々もあれど
病勞れし
兩親の
寢顏さし
覗くごとに
我なくば
何とし
給はん
勿體なしと
思ひ
返せど
沸くは