琉球りうきう)” の例文
さい近廣津和郎氏が「さまよへる琉球りうきう人」といふさくしゆこうにした青年がどうもその青年と同一人らしいので、わたしはちよつとおどろいてゐる。
がかつたつむぎ羽織はおりに、銘仙めいせんちやじまをたのと、石持こくもち黒羽織くろばおりに、まがひ琉球りうきうのかすりをたのが、しよぼ/\あめなかを、夜汽車よぎしやつた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一面の琉球りうきう藺は伐採ばつさいを受けざる為め茸々しやう/\として沼岸に繁茂はんもし、沼辺の森林しんりん欝乎うつことして水中にえいじ、翠緑すゐりよくしたたる如く、燧岳の中腹は一帯の雲烟うんえんとざされ夕陽之に反照はんせうす、其景の絶佳ぜつかなる
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
若い医者は、比嘉ひかといふ名前で、先代は琉球りうきうの生れだと云ふ事である。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
故郷ふるさと琉球りうきう
哀音 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
……なにかんがへたか、いづれ周章あわてたまぎれであらうが、神田かんだ從姉いとこ——松本まつもとながしあね口説くどいて、じつ名古屋なごやゆきにてゐた琉球りうきうだつて、月賦げつぷ約束やくそくで、その從姉いとこかほ
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)