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獄裡
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ごくり
ふりがな文庫
“
獄裡
(
ごくり
)” の例文
あの艶姿と賢さと、わけてその情熱とは、
獄裡
(
ごくり
)
の夢にも
夜々恋々
(
よよれんれん
)
と消し難いものがおありなのにちがいない……と、道誉にはよくわかる。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
書物位はどうでもいいというたところが一番
肝腎
(
かんじん
)
な事はチベットの
獄裡
(
ごくり
)
に在る友人を救う事であるが、それが救えないでは
詰
(
つま
)
らぬじゃないか。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
マニョンはまたそれを、サルペートリエールにいるバベの情婦に渡した。ビスケット一つは、
獄裡
(
ごくり
)
の暗黒な象徴主義では、「とうていだめ」という意味である。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
恐るべき
呪
(
のろい
)
の女は、用意の毒薬を服し、線路に
横
(
よこた
)
わって、名誉の絶頂から
擯斥
(
ひんせき
)
の谷底に追い落され、
獄裡
(
ごくり
)
に
呻吟
(
しんぎん
)
するであろう所の夫の幻想に、物凄い微笑を浮べながら
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
君が「火の柱」の主公
篠田長二
(
しのだちやうじ
)
を
捉
(
とら
)
へて
獄裡
(
ごくり
)
に投じたるもの
豈
(
あ
)
に君の為めに
讖
(
しん
)
をなせるに非ずや、君何ぞ此時を以て断然之を
印行
(
いんかう
)
に付せざるやと、余の意
俄
(
にはか
)
に動きて之を諾して曰く
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
獄裡
(
ごくり
)
に長くつながれたとはいえ、それを囚人あつかいにし、出獄してから後も、囚人であった事を売物
見世物
(
みせもの
)
のようにして、舞台にさらしたり、
寄席
(
よせ
)
に出したりしたのはあんまり
無惨
(
むざん
)
すぎる。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
彼は自分の部屋の窓の下を往来する人達と全く無関係に生きて行く異邦の旅人としての自分の身をその客舎に見つけた。あだかも
獄裡
(
ごくり
)
に
繋
(
つな
)
がるる
囚人
(
しゅうじん
)
が全く
娑婆
(
しゃば
)
というものと縁故の無いと同じように。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
また、同じ増鏡の別の章では、そうした持明院派の
朝
(
ちょう
)
に時めく人々のさまは、そこはかとなく、板屋の
獄裡
(
ごくり
)
へも
偲
(
しの
)
ばれようと
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もはや
明日
(
あす
)
はパーリーという第一の関門へ着くので、事もし発覚すればおのれも
捉
(
とら
)
えられて
獄裡
(
ごくり
)
の
憂目
(
うきめ
)
を見なければならぬという怖れを懐いたからでしょう。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
さしもの紳士盗賊も遂に
獄裡
(
ごくり
)
の
人
(
ひと
)
となったのであるが、その煙草の吸殻から盗賊逮捕までの径路に一寸探偵小説じみた興味があるので、当時のある新聞には、続き物になって
二銭銅貨
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
戸の外に筆記して居るものがあるも知れないです、——
若
(
も
)
し私
一己
(
いつこ
)
の野心から申すならば、今ま
空
(
むな
)
しく牢獄に
囚
(
とら
)
はれて、特に
只今
(
たゞいま
)
御話の如き暴行は、随分各国の
獄裡
(
ごくり
)
に実験せられた所ですから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
辱めるもの。
獄裡
(
ごくり
)
の辱はしのぶとするも、長途、沿道の民草のあいだを、
法師輿
(
ほうしごし
)
にひとしい物などに乗っては行けん
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この位な無礼を受けてさえも忍び難いほど苦しい観念が起る位だから、チベットの
獄裡
(
ごくり
)
に
虐待
(
ぎゃくたい
)
を受けて居る我が恩人はどうして居るかと思わず涙が
溢
(
あふ
)
れました。その時
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
時うつしては、或いは、どさくさ
紛
(
まぎ
)
れに、荒木村重の家中が、
獄裡
(
ごくり
)
にある官兵衛様のおいのちに危害を加えない限りもない。——ではこれからすぐ急ごう。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
獄裡
(
ごくり
)
のおこころも察して独りあせっていた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“獄裡”の意味
《名詞》
監獄の中。獄中。
(出典:Wiktionary)
獄
常用漢字
中学
部首:⽝
14画
裡
漢検準1級
部首:⾐
12画
“獄”で始まる語句
獄
獄舎
獄屋
獄門
獄卒
獄中
獄窓
獄飯
獄吏
獄門首