爲給したま)” の例文
新字:為給
たゞす役目なり奉行ぶぎやうには依怙贔屓えこひいきありてそれがしばかり片落かたおとしに爲給したまふならんと言せもはて大岡殿おほをかどの發打はつた白眼にらま依怙贔屓えこひいきとは慮外りよぐわい千萬なり此梅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
縱令たとひしんじなくとも、祈祷きたうをすると、なんともはれんくらゐこゝろやすまる、きみ接吻せつぷん爲給したまへ。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
明ける事なきに今日は鳥渡ちよつと宵の間にと思ひしが存じの外に手間取しゆゑ母樣は目をさまされしならんすれば我が歸りのおそきを案じ持病ぢびやうにてもおこしは爲給したまはぬかと思へば暫時しばし猶豫いうよならずと足を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お菊はいたく氣の毒に思ひ我故にかく成行なりゆき給ふなれば何卒見繼みつぎ度思へども親にやしなはるゝ此身なるゆゑ何事も心にまかせず是は僅なれども私しが手道具てだうぐなれば大事なしうりてなりとも旅籠はたごの入用母御の藥のしろ爲給したまへと鼈甲べつかふくし琴柱ことぢ花菱はなびし紋付もんつきたる後差うしろざし二本是はあたひに構はず調とゝのへし品なりとて吉三郎に渡しければ大いに悦び其芳志そのこゝろざし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)