“後差”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あとざ33.3%
うしろざ33.3%
うしろざし33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宵惑いの大尼君は大きいいびきの声をたてていたし、その前のほうにも後差あとざしの形で二人の尼女房が寝ていて、それも主に劣るまいとするようにいびきをかいていた。
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)
銭亀ぜにがめほどのわりがらこに結って、小楊子こようじの小々太い位なのではあるが、それこそ水の垂れそうな鼈甲べっこう中差なかざしと、みみかきのついた後差うしろざしをさした。
お菊はいたく氣の毒に思ひ我故にかく成行なりゆき給ふなれば何卒見繼みつぎ度思へども親にやしなはるゝ此身なるゆゑ何事も心にまかせず是は僅なれども私しが手道具てだうぐなれば大事なしうりてなりとも旅籠はたごの入用母御の藥のしろ爲給したまへと鼈甲べつかふくし琴柱ことぢ花菱はなびし紋付もんつきたる後差うしろざし二本是はあたひに構はず調とゝのへし品なりとて吉三郎に渡しければ大いに悦び其芳志そのこゝろざし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)