-
トップ
>
-
うしろざし
語句 | 割合 |
後簪 | 33.3% |
後差 | 33.3% |
後挿 | 33.3% |
紋羽二重の
小豆鹿子の
手絡したる
円髷に、
鼈甲脚の
金七宝の玉の
後簪を
斜に、
高蒔絵の
政子櫛を
翳して、
粧は
実に
塵をも
怯れぬべき人の
謂ひ知らず
思惑へるを、
可痛しの
嵐に
堪へぬ花の
顔や
お菊は
甚く氣の毒に思ひ我故に
斯成行給ふなれば何卒
見繼度思へども親に
養はるゝ此身なる
故何事も心に
任せず是は僅なれども私しが
手道具なれば大事なし
賣てなりとも
旅籠の入用母御の藥の
代に
爲給へと
鼈甲の
櫛と
琴柱に
花菱の
紋付たる
後差二本是は
價に構はず
調へし品なりとて吉三郎に渡しければ大いに悦び
其芳志を
鬘ならではと見ゆるまでに
結做したる
円髷の漆の如きに、
珊瑚の
六分玉の
後挿を点じたれば、更に
白襟の
冷豔物の
類ふべき無く、
貴族鼠の
縐高縮緬の
五紋なる
単衣を
曳きて