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熱鬧
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ねっとう
ふりがな文庫
“
熱鬧
(
ねっとう
)” の例文
熱鬧
(
ねっとう
)
を
極
(
きわ
)
めたりし露店はことごとく形を
斂
(
おさ
)
めて、ただここかしこに見世物小屋の板囲いを
洩
(
も
)
るる
燈火
(
ともしび
)
は、かすかに宵のほどの
名残
(
なごり
)
を
留
(
とど
)
めつ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて、
竹伐
(
たけきり
)
の行事も終り、白い
夕星
(
ゆうずつ
)
に、昼間の
熱鬧
(
ねっとう
)
もやや冷えてくると、山は無遍の闇の中に、真っ赤な
大篝
(
おおかがり
)
の焔をたくさんに揚げはじめた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紅塵万丈の
熱鬧
(
ねっとう
)
世界を遠く白雲
緬邈
(
めんばく
)
の地平線下に委棄し
来
(
きた
)
って、悠々として「四条五条の橋の上」に遊び、「
愛鷹
(
あしたか
)
山や富士の
高峰
(
たかね
)
」の上はるかなる国に
羽化登仙
(
うかとうせん
)
し去るのである。
謡曲黒白談
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
替えたばかりの畳の上に寐ころんでいると、如何なる
熱鬧
(
ねっとう
)
の
巷
(
ちまた
)
にあっても、生々たる自然の呼吸に触れるように感ずる。自然に親しい日本建築の一条件に算うべきものであろう。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
瀑
(
たき
)
などの
滴垂
(
したた
)
りおちる
巌角
(
いわかど
)
にたたずんだり、緑の影の顔に涼しく揺れる
白樺
(
しらかば
)
や
沢胡桃
(
さわぐるみ
)
などの、木立ちの下を散歩したりしていたお増の顔には、長いあいだ
熱鬧
(
ねっとう
)
のなかに過された自分の生活が
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
だが、両国などの
熱鬧
(
ねっとう
)
した花火の晩のあと、暗い霧が落ちて、しいんと都会が冷たくなる時の陰気さはなんともいえない。やっぱり花火は生き物で、妖怪さ。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
銀座がネオンとジャズで
湧
(
わ
)
き返るような
熱鬧
(
ねっとう
)
と
躁狂
(
そうきょう
)
の
巷
(
ちまた
)
と化した時分には、彼の手も次第にカフエにまで延び、
目星
(
めぼ
)
しい女給で、その
爪牙
(
そうが
)
にかかったものも少なくなかったが、学生時代には
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
昼は人いきれと
熱鬧
(
ねっとう
)
の
埃
(
ほこり
)
に割れ返りそうな博物会の巨大な小屋も、夜は、
物
(
もの
)
の
怪
(
け
)
でも出そうに真っ暗だった。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
のみか、いつのまにやら日はたそがれ、
盂蘭盆会
(
うらぼんえ
)
の
熱鬧
(
ねっとう
)
のちまたも遠く夕闇の
楊柳原
(
やなぎはら
)
まで来てしまった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜も昼も、人と
燈
(
ひ
)
と
神楽
(
かぐら
)
ばやしに
熱鬧
(
ねっとう
)
していた祭の混雑に乗じて、ゆうべの深夜から今朝までの間に、総務所の平等坊の宝蔵が、何者かのために、破られていたというのである。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人は
熱鬧
(
ねっとう
)
の中を
遁
(
のが
)
れて、ゆく春の静かな山路を福知山へ向って歩いた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誰か、
熱鬧
(
ねっとう
)
の
人渦
(
ひとうず
)
のうちから、その時綽空の輦を眼がけて
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“熱鬧”の意味
《名詞》
熱鬧(ねっとう、ねつどう)
混雑して騒がしいこと。
(出典:Wiktionary)
熱
常用漢字
小4
部首:⽕
15画
鬧
漢検1級
部首:⾾
15画
“熱”で始まる語句
熱
熱心
熱海
熱燗
熱湯
熱田
熱情
熱病
熱気
熱灰