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炭燒
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すみやき
瞬く
間に、
雁は
炭燒に
屠られたが、
民子は
微傷も
受けないで、
完き
璧の
泰らかに
雪の
膚は
繩から
拔けた。
民子をのせて
出た
雪車は、
路を
辷つて、十三
谷といふ
難所を、
大切な
客ばかりを
千尋の
谷底へ
振り
落した、
雪ゆゑ
怪我はなかつたが、
落込んだのは
炭燒の
小屋の
中。
兩名の
炭燒が、
同一雪籠に
會つて
封じ
込められたやうになり、
二日三日は
貯蓄もあつたが、
四日目から、
粟一粒も
口にしないで、
熊の
如き
荒漢等、
山狗かとばかり
痩せ
衰へ、
目を
光らせて