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かいらん
ふりがな文庫
“
潰乱
(
かいらん
)” の例文
敵国が未だ兵力を集中せない
即
(
すなわち
)
戦闘準備の
整
(
ととのわ
)
ない虚に乗じて、
急馳
(
きゅうち
)
電撃これを
潰乱
(
かいらん
)
せしめるのである、ネルソンの兵法はそうでない
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
堂木山の北方を迂廻して来た木村隼人佑の
旌旗
(
せいき
)
が、早くも行くての道を遮断して包囲して来たので、再び散々に
潰乱
(
かいらん
)
してしまった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日本が更に一指の力を加うれば
一溜
(
ひとたま
)
りもなく
潰乱
(
かいらん
)
すると思った。それが抑々かの三国干渉の来った有力なる一因である。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
これは
捌
(
さば
)
かれねばならぬ。その上に、山もまた一時に春になっていた。そこからもおし流れて来る。この忙しい
潰乱
(
かいらん
)
を、川はことごとく収容し兼ねた。しかし、川よりほかに逃げ場所を持たぬ水だ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
上海
(
シャンハイ
)
包囲全く成る。敵軍
潰乱
(
かいらん
)
全線に総退却。
秋風記
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
側面攻撃に出た曹軍の
夏侯惇
(
かこうじゅん
)
、
曹洪
(
そうこう
)
の両大将は、急に、軍を転回するいとまもなく、さんざんに討ちなされて
潰乱
(
かいらん
)
また潰乱の
惨
(
さん
)
を呈した。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
潰乱
(
かいらん
)
する味方の流れから駈けもどって、どうしても、退かなかったが、そのうちに、勝入の老臣、
伴道雲
(
ばんどううん
)
が、来あわせて
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柴田勝政が戦死し、幕将の多くも、
途々
(
みちみち
)
惨として、
屍
(
しかばね
)
を並べてしまった結果、
爾後
(
じご
)
、柴田勢が大幅な
潰乱
(
かいらん
)
状態となり終ったのはいうまでもない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一時、曹軍はまったく
潰乱
(
かいらん
)
に墜ちたが、曹洪、楽進などがよく戦って喰い止め、ついに大勢をもり返して、城兵をひた押しに濠ぎわまで追いつめた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木下隊には、そんな弱点があったし、五番、六番の備えも、
瞬
(
またた
)
くまに蹴ちらされて、織田陣十三段の備え立てが、遂に、十一段まで
潰乱
(
かいらん
)
されてしまった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
でなくてさえ、山門勢の
鋭鋒
(
えいほう
)
に押しまくられていた六波羅方は、唐崎の陣をすてて、みぎたなく
潰乱
(
かいらん
)
しだした。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義貞は、それらの
乱波隊
(
らっぱたい
)
にも、むねをふくめて、ぞくぞく、敵の
潰乱
(
かいらん
)
状態のうちへ味方の第五列を送りこんだ。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、敵が耳に眼に知る時は、もう
潰乱
(
かいらん
)
されていた。備える間などないし、崩れて、次陣を
布
(
し
)
く
遑
(
いとま
)
もなかった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鎮台兵は皆、
徴兵
(
ちょうへい
)
の制で集めた民兵である。百姓商人の子弟でまだ訓練も充分でない。精鋭な薩南の兵と戦ってひとたび
潰乱
(
かいらん
)
したら殆ど脱走してしまうだろう。
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
溺死した者、焼け死んだ者、矢にあたって
斃
(
たお
)
れた者、また陸上でも、馬に踏まれ、槍に追われ、何しろ、山をなすばかりな死傷をおいて三江の要塞から
潰乱
(
かいらん
)
した。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、
邯鄲
(
かんたん
)
の敵とまみえて、大激戦は展開されたが、
沮鵠
(
そこう
)
の大布陣も、ついに
潰乱
(
かいらん
)
のほかはなかった。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
めぐって、魏軍営、
潰乱
(
かいらん
)
に陥ちたと見たら、軍需兵糧の品々を、
悉皆
(
しっかい
)
、船に移して奪いきたれ。また諸所の道にかかる
落人
(
おちゅうど
)
どもの馬具、物具なども余すなく
鹵獲
(
ろかく
)
せよ
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
潰乱
(
かいらん
)
する王忠軍を蹴ちらして、馬百匹、武器二十駄を分捕って、関羽の手勢はあざやかに引揚げた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遼東勢は
西平関
(
せいへいかん
)
を境として、蜀の馬超に撃退されている模様だし、南蛮勢は、益州南方で蜀軍の擬兵の計に
遭
(
あ
)
って
潰乱
(
かいらん
)
し、上庸の孟達はうそかほんとか病と称して動かず
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、彼らの影はすぐ没してしまい、同時に二百の寄手は、
蜘蛛
(
くも
)
の子になって
潰乱
(
かいらん
)
してしまった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殆ど、
瀕死
(
ひんし
)
の状態にまで
撃攘
(
げきじょう
)
されていた山県昌景の隊とついに合流して、その当面の敵軍——越後の柿崎隊の勝ちほこっていたものを——見るまに反撃し、追い討ちし、
潰乱
(
かいらん
)
せしめた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
佐久間勢八千は戦死傷、脱落者をのぞき、三分の一にも足らぬかに見えたが、それは
悉
(
ことごと
)
く
潰乱
(
かいらん
)
の兵、逆上の将で、
呶号喧騒
(
どごうけんそう
)
は、たがいの心理を、実状以上、
凄惨
(
せいさん
)
なものにし合っている。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
栗原山には
長束正家
(
なつかまさいえ
)
、山下には
長曾我部盛親
(
ちょうそかべもりちか
)
と、いずれも西軍方が布陣して、家康の東軍を
窺
(
うかが
)
ったものであったが、一たび
石田三成
(
いしだみつなり
)
の主隊の
潰乱
(
かいらん
)
から、いちどに
鬨
(
とき
)
を揚げて敗走している。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かつてその旗本まで敵の足に踏みこませた例はないと誇っていた信玄の身辺すら、単騎の謙信に踏み込まれたのを見れば、いかに武田軍が一時は危険なる
潰乱
(
かいらん
)
状態に
陥入
(
おちい
)
ったか想像に
難
(
かた
)
くない。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おまけに雍闓の部下は、先頃から何となく怠戦気分であった上、中には高定の兵と一緒になって、その
潰乱
(
かいらん
)
を内部から助けた者も出たため、雍闓は一戦の支えも立たず、ただ一騎で遁走を企てた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長沙の兵は
潰乱
(
かいらん
)
してたちまち城地の第二門へ逃げこんでしまった。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
河北勢は旗を捨て、
鼓
(
こ
)
もとり落して
潰乱
(
かいらん
)
を起していた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
枯野の火に
捲
(
ま
)
かれて、宇喜多勢は
潰乱
(
かいらん
)
しだした。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
潰乱
(
かいらん
)
、
惨滅
(
さんめつ
)
、玄徳軍は討たれ討たれ後へ退く。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
となった
潰乱
(
かいらん
)
の兵には、見得もなかった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄壁の士気を
潰乱
(
かいらん
)
しに
蒐
(
かか
)
って来る。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“潰乱”の意味
《名詞》
秩序や風紀、組織が崩れ、乱れること。
(出典:Wiktionary)
潰
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
乱
常用漢字
小6
部首:⼄
7画
“潰乱”で始まる語句
潰乱混走