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波音
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なみおと
こうして
耳をすますと、
大海原の
波音のように、あるいは、かすかな
子守唄のように、
都会のうめきが、
穏やかな
真昼の
空気を
伝ってくるのです。
洗ふ
波音高く左りは
草木生茂りし鈴ヶ森の御仕置場にして
物凄き事云ふばかりなし然れども
孝行の一心より
何卒父の骨を
探し求め
故郷へ持歸りて母に見せんと
御所刑場の中へ
分入那方此方を
翌日になると、いくらか
風は
静まり
雨もやみましたけれど、
空を
見ると
雲ゆきは
乱れていて、やはり
島の
海岸を
打つ
波音は
高かったのでありました。
月のいい
晩には、
往来する
船も、なんとなく
安全に
思われますが、
海が
怒って、
真っ
暗な、
波音のすさまじいときには、どんなに
航海をする
船は
難儀をしたかしれません。