法事ほうじ)” の例文
また、故郷こきょうかえってきてからも、母親ははおやのおはかにおまいりをしたばかりで、まだ法事ほうじいとなまなかったことをおもしました。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それははるよいでありました。坊さんは法事ほうじへいってるすでした。法師はじぶんの寝間ねまの前の、えんがわへでて、きなびわをひきながら、坊さんの帰りを待っていました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
常念御坊じょうねんごぼうは、がなによりもすきでした。きょうも、となり村の檀家だんか法事ほうじでよばれてきて、お昼すぎからをうちつづけ、日がかげってきたので、びっくりしてこしをあげました。
のら犬 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
盲目めくらの坊主頭のお婆さんが死んで、その法事ほうじのかえりに、浅草田圃たんぼ大金たいきん(鳥料理)へいったらそこの人たちが、どうした事か、家業柄にもにず、この女形を完全に女にしてしまって
またはでながさをった、わかおんながいました。これは、まちはたらいているのが、法事ほうじかなにかあるので、休暇きゅうかをもらい、実家じっかかえるのかもしれません。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、どこへもいってはならぬぞ。わしは、今夜こんや法事ほうじで、るすをするが、おまえが使つかいのものに、つれていかれないように、今夜は、おまえのからだを、よくまもっておかねばならぬわい。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
きっと、これはははいかりであろうとおもいましたから、子供こどもは、ねんごろに母親ははおや霊魂たましいとむらって、ぼうさんをび、むら人々ひとびとび、真心まごころをこめて母親ははおや法事ほうじいとなんだのでありました。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうして、ねんごろにおじいさんをほうむって、みんなで法事ほうじいとなみました。
犬と人と花 (新字新仮名) / 小川未明(著)