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沈痛
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ちんつう
ふりがな文庫
“
沈痛
(
ちんつう
)” の例文
ロッセ氏は、
次第
(
しだい
)
に
沈痛
(
ちんつう
)
な表情に移っていって、しきりに唇を
噛
(
か
)
んでいる。私は、それをとりなそうにも、いうべき言葉を知らなかった。
のろのろ砲弾の驚異:――金博士シリーズ・1――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
沈痛
(
ちんつう
)
、
悲慘
(
ひさん
)
、
幽悽
(
ゆうせい
)
なる
心理的小説
(
しんりてきせうせつ
)
「
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
」は
彼
(
か
)
の
奇怪
(
きくわい
)
なる
一大巨人
(
いちだいきよじん
)
(
露西亞
(
ロシア
)
)の
暗黒
(
あんこく
)
なる
社界
(
しやくわい
)
の
側面
(
そくめん
)
を
暴露
(
ばくろ
)
して
餘
(
あま
)
すところなしと
言
(
い
)
ふべし。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
哲学者じみた考えを持っていて、非常な勝気な男だ、真剣にえらいかどうか知れないが、とにかくいうことは奇抜で
沈痛
(
ちんつう
)
だ。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
静かな空気の中を、えぐるような沈黙の数秒が流れたあと、朝倉先生の言葉が
沈痛
(
ちんつう
)
につづけられた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
前掲
(
ぜんけい
)
の老芸人の話では春琴の三味線を蔭で聞いていると
音締
(
ねじめ
)
が
冴
(
さ
)
えていて男が弾いているように思えた音色も単に美しいのみではなくて変化に富み時には
沈痛
(
ちんつう
)
な深みのある音を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
沈痛
(
ちんつう
)
な
調子
(
てうし
)
で
恁
(
か
)
う云ツて、友は其の
幅
(
はゞ
)
のある
肩
(
かた
)
を
聳
(
そび
)
やかした。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
とゴルドンが
沈痛
(
ちんつう
)
な顔をしてつぶやいた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
語氣
(
ごき
)
が
強
(
つよ
)
く
且
(
か
)
つ
沈痛
(
ちんつう
)
の
響
(
ひゞ
)
きを
帶
(
お
)
びた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
沈痛
(
ちんつう
)
の
呻吟
(
うめき
)
この時
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
僕の好奇心は
火柱
(
ひばしら
)
のようにもえあがったけれど、博士の
沈痛
(
ちんつう
)
な姿を見ると、
重
(
かさ
)
ねて
問
(
と
)
うは気の毒になり、まあまあと自分の心をおさえつけた。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
朝倉先生は
沈痛
(
ちんつう
)
な眼をして
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
帆村は、ただ
沈痛
(
ちんつう
)
な顔をしている。彼の胸の中には、他人にいえない何かのなやみがひそんでいるもののようであった。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
皆がニコニコしているのにひきかえ、スミスただ一人、歯がいたみでもするような
沈痛
(
ちんつう
)
な
面持
(
おももち
)
を見せていた。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
沈
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
痛
常用漢字
小6
部首:⽧
12画
“沈”で始まる語句
沈
沈黙
沈着
沈鬱
沈湎
沈澱
沈淪
沈默
沈香
沈吟