“前掲”の読み方と例文
読み方割合
ぜんけい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
苦しめることになるのであるかく考えれば前掲ぜんけいの少女の父親よりも利太郎を疑う方が順当のように思われるがいかに。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
前掲ぜんけいの萩の茶屋に住んでいる老婦人というのは鴫沢しぎさわてるといい生田いくた流の勾当こうとうで晩年の春琴と温井検校に親しく仕えた人であるがこの勾当の話を聞くに
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
前掲ぜんけいの老芸人の話では春琴の三味線を蔭で聞いていると音締ねじめえていて男が弾いているように思えた音色も単に美しいのみではなくて変化に富み時には沈痛ちんつうな深みのある音を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)