此願このねが)” の例文
ゑがかぬもおなじこと御覽ごらんはずもあらねば萬一もしやのたのみもきぞかしわらはるゝからねどもおもそめ最初はじめより此願このねがかなはずは一しやう一人ひとりぐすこゝろきにおく月日つきひのほどにおもひこがれてねばよしいのちしも無情つれなくて如何いかるは
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三郎さぶろうさまと申のなり此頃このごろたまひしは和女そなた丁度ちやうど不在るすときよ一あしちがひに御歸宅ごきたくゆゑらぬのは道理どうりひかけてお八重やへかほさしのぞき此願このねがかなはゞ生涯しやうがい大恩だいおんぞかしくどうははぬこゝろこれよとはすうれしきいろはあらはれたり
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)