此文これ)” の例文
覺悟かくご次第しだい斷念あきらめもつくべし、いま此文これげて、あきらかのおこたいてたまはれ、次第しだいにて若樣わかさまにもおわかれにるべければと虚實きよじつをまぜて、子心こごヽろあはれとくやうたのみければ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
みづから參館あがりて、とはおもへど、少しさゝはる事のありて今日明目自由のきかねば、おはこびの願ひましたきよしをお近のもとまで申おくりける、此文これを受とりたるお近が喜びより
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
是非ぜひ此文これ御覽ごらんなされて、一寸ちよつとなにとかふてくだされ、よう姉樣ねえさま、よう姉樣ねえさま、おねがひ、此拜これ、とて紅葉もみぢはす可憐いぢらしさ、なさけふかき女性によしやうの、此事これのみにてもなみだ價値あたひはたしかなるに
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よし山賤やまがつにせよ庭男にはをとこにせよ、れをひとくかるべきか、令孃ひめ情緒こヽろいかにもつれけん、じんすけ母君はヽぎみのもとにばれ、此返事このへんじなく、のこしげに出行いでゆきたるあとにて、たまかひな此文これいだ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)