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楊柳
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ようりゅう
ふりがな文庫
“
楊柳
(
ようりゅう
)” の例文
左に太い幹をもつは
楊柳
(
ようりゅう
)
。下には流るる河、上には浮かぶ雲。水に建つ
庵
(
いおり
)
の中には囲碁を挿む二人の翁。右には
侍童
(
じどう
)
が茶を
煎
(
せん
)
じる。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
彼の肩や頭へ何か時々、
楊柳
(
ようりゅう
)
の上からポトと落ちてくるものがあった。手で
撫
(
な
)
で廻したのは不覚である。
鷺
(
さぎ
)
やら
烏
(
からす
)
やら、とにかく鳥の
糞
(
ふん
)
にはちがいない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、舟はすぐ
楊柳
(
ようりゅう
)
の浅緑の葉の
煙
(
けむ
)
って見える水際の
沙
(
すな
)
にじゃりじゃりと音をさした。許宣は水際へ走りおりた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
黄浦
(
ホアンプー
)
河の岸に
楊柳
(
ようりゅう
)
の花が咲いて散って空に飜えり、旗亭や茶館や画舫などへ、鵞毛のように降りかかる季節、四五月の季節が来ようものなら、わけても日本がなつかしくなるよ。
鴉片を喫む美少年
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これは早く父允成の愛していた木で、抽斎は居を移すにも、遺愛の御柳だけは常におる
室
(
しつ
)
に近い地に
栽
(
う
)
え替えさせた。おる所を
観柳書屋
(
かんりゅうしょおく
)
と名づけた柳字も、
楊柳
(
ようりゅう
)
ではない、檉柳である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
熱あるものは、
楊柳
(
ようりゅう
)
の露の
滴
(
したたり
)
を吸うであろう。恋するものは、
優柔
(
しなやか
)
な
御手
(
みて
)
に
縋
(
すが
)
りもしよう。
御胸
(
おんむね
)
にも
抱
(
いだ
)
かれよう。はた迷える人は、緑の
甍
(
いらか
)
、
朱
(
あけ
)
の
玉垣
(
たまがき
)
、金銀の柱、
朱欄干
(
しゅらんかん
)
、
瑪瑙
(
めのう
)
の
階
(
きざはし
)
、
花唐戸
(
はなからど
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その岸に立つ
楊柳
(
ようりゅう
)
の葉のごとく、おののかせたことであろう。
大川の水
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
憔悴一般楊柳在
憔悴
(
しょうすい
)
一般
(
いっぱん
)
の
楊柳
(
ようりゅう
)
在
(
あ
)
りて
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
次々と着いてくる早馬は、
武衛門
(
ぶえいもん
)
の
楊柳
(
ようりゅう
)
に、何頭となくつながれて、心ありげに、いななきぬいていた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
京口瓜州一水
(
けいこうかしゅういっすい
)
の間、
前岸
(
ぜんがん
)
瓜州の
楊柳
(
ようりゅう
)
は青々として見えた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ほどなく、きれいな
楊柳
(
ようりゅう
)
並木の繁華街の一軒に、
古舗
(
しにせ
)
めいた
大店
(
おおだな
)
の間口が見える。
朱聯金碧
(
しゅれんこんぺき
)
の看板やら
雇人
(
やといにん
)
だの客の出入りなど、問わでも知れる
生薬問屋
(
きぐすりどんや
)
の店だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五体に
颶風
(
ぐふう
)
を起して、無念と、やにわに組みついてゆくが早いか、重左はヒラリと
楊柳
(
ようりゅう
)
流しに
体
(
たい
)
を開き、同時に振りかぶった稀代の竹杖に怖るべき殺気をブーンと
孕
(
はら
)
ませた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして彼らについて出て見ると、園の
蓄水池
(
ちくすいち
)
の
畔
(
ほと
)
り、涼しげな
楊柳
(
ようりゅう
)
の木蔭に、
莚
(
むしろ
)
をのべ、
酒壺
(
さかつぼ
)
を備え、
籃
(
かご
)
には肉の料理やら
果物
(
くだもの
)
を盛って、例の与太もン二、三十が恐れ
畏
(
かしこ
)
んで待っている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると、誰か、
楊柳
(
ようりゅう
)
のうしろから
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“楊柳”の意味
《名詞》
やなぎ。楊は川柳、柳は枝垂れ柳のこと。
(出典:Wiktionary)
楊
漢検準1級
部首:⽊
13画
柳
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“楊柳”で始まる語句
楊柳観音
楊柳原
楊柳長堤
楊柳杏花村的