植木うえき)” の例文
おじいさんは、おさくをしずかな高台たかだいもんのあるうちにつれてきました。この屋敷やしきへは、おじいさんが、ときどき、植木うえき手入ていれにくるのであります。
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その人は、元農商務省の役人をしていた人で、畜産事業をやっていたが、目下は役をやめ家畜飼養をやっている、本郷ほんごう駒込こまごめ千駄木せんだぎ林町の植木うえき氏という人であった。
ですから、たいてい、植木うえきばちの花をみて、まんぞくしなければなりませんでした。
引越の翌日は、昨日の温和に引易えて、早速さっそく田園生活の決心を試すかの様な烈しいからッ風であった。三吉は植木うえきを植えて了うて、「到底一年とは辛抱しんぼうなさるまい」と女中にささやいて帰って往った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
もう食堂しょくどうのしたくはすっかり出来て、扇風機せんぷうきはぶうぶうまわり、白いテーブルけはなみをたてます。テーブルの上には、みどりや黒の植木うえきはち立派りっぱにならび、極上等ごくじょうとうのパンやバターももうかれました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あるおとこが、縁日えんにちにいって、植木うえきをひやかしているうちに、とうとうなにかわなければならなくなりました。そして、無花果いちじく鉢植はちうえをいました。
ある男と無花果 (新字新仮名) / 小川未明(著)
植木屋うえきやのおじいさんは、しばらくたってから、おさくの奉公ほうこうした、おうちへいって、植木うえき手入ていれをしていました。そのとき、おくさまは、てこられて、おじいさんに
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このおとこは、あまり植木うえきについて巧者こうしゃでなかったとみえて、すっかりよわらしてしまいました。
葉と幹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
孝吉こうきちは、よく屋根やね植木うえきならべてあるだいうえます。なぜなら、あすこはよくたってあたたかであるし、また遠方えんぽう景色けしきえて、なんとなく気分きぶんれするからでした。
すずめの巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ただそれぎりであって、自分じぶんは、植木うえきになどさわらなかったのでした。
すずめの巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)