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棹
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さをさ
ふりがな文庫
“
棹
(
さをさ
)” の例文
良佐は茶山への附合に、舟を同じうして佐屋川に
棹
(
さをさ
)
した。「数派春流一短篷。喜君迂路此相同。」
上
(
かみ
)
に云つたとほり、訣別したのは四日市である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
正に此新潮に
棹
(
さをさ
)
して彼岸に達しようと
焦慮
(
あせ
)
つて居る人なので、彼自身は、其半生に種々な黒い影を伴つて居る所から、殆ど町民に信じられて居ぬけれど
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
棹
(
さをさ
)
して小舟を洞窟のうちにやれば、たちまち身は凄まじきものの呼吸に触るるをおぼゆ、袖のあたり、頭のうへ、船べりのもと、悉く、危き岩石の牙を噛めるにあらざるはなく
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
論じて
此
(
こゝ
)
に到れば、
吾人
(
われら
)
は今文明の急流中に
棹
(
さをさ
)
して、両岸の江山、
須臾
(
しゆゆ
)
に面目を改むるが如きを覚ふ、過去の事は歴史となりて、巻を
捲
(
ま
)
かれたり、往事は之れを追論するも益なし
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
日
(
ひ
)
に
水
(
みづ
)
の
影
(
かげ
)
もさゝぬのに、
其
(
そ
)
の
四阿
(
あづまや
)
をさがりに、
二三輪
(
にさんりん
)
、
眞紫
(
まむらさき
)
の
菖蒲
(
あやめ
)
が
大
(
おほき
)
くぱつと
咲
(
さ
)
いて、
縋
(
すが
)
つたやうに、
倒
(
たふ
)
れかゝつた
竹
(
たけ
)
の
棹
(
さを
)
も、
池
(
いけ
)
に
小船
(
こぶね
)
に
棹
(
さをさ
)
したやうに
面影
(
おもかげ
)
に
立
(
た
)
つたのである。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
流れに
棹
(
さをさ
)
して
溯
(
さかのぼ
)
る船や、それから渦卷く流れに乘つて曳船に曳かれ
水沫
(
しぶき
)
を飛ばし乍ら矢の如く下つて行く船を、彼は欄干に顎を
靠
(
もた
)
し、元氣のない消え入るやうにうち沈んだ心地で
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
或るときは共に舟に
棹
(
さをさ
)
して青海原を渡り、烟立つヱズヰオの山に漕ぎ寄せつるに、山は
全
(
また
)
く水晶より成れりと覺しく、巖の底なる
洪爐
(
こうろ
)
中に、
烟
(
けぶり
)
渦卷
(
うづま
)
き火燃え上るさま
掌
(
たなぞこ
)
に指すが如くなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
正に此新潮に
棹
(
さをさ
)
して彼岸に達しようと
焦慮
(
あせ
)
つて居る人なので、彼自身は、其半生に
種々
(
いろん
)
な黒い影を伴つて居る所から、殆ど町民に信じられて居ぬけれど
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“棹”の意味
《名詞》
(さお)枝葉を取り去って作られた竹の細長い棒。cf.竿。
(さお)舟をこぐ道具で岸辺や水底に突っ張って舟を進ませる長い棒。
(さお)三味線の同から上の、弦を張った長い部分。転じて、三味線。
(さお)箪笥(たんす)・長持(ながもち)などにさしてかつぐ棒。
(出典:Wiktionary)
棹
漢検1級
部首:⽊
12画
“棹”を含む語句
水棹
太棹
釣棹
棹立
竹棹
棹取
水馴棹
物干棹
長棹
黐棹
干棹
舟棹
棹石
十棹
三棹
一棹
二棹
細棹
継棹
間棹
...