トップ
>
棲
>
とま
ふりがな文庫
“
棲
(
とま
)” の例文
屋敷の左手に大きな
山毛欅
(
ぶな
)
の木が幾株かある。四時頃になると、もの淋しい鴉の群はそこへ来て
棲
(
とま
)
り、かしましく啼きたてる。
初雪
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
どれもこれも黒っぽい地味な服を着て、もっそりとした恰好で坐っているので、ちょうど、黒い大きい
田鶴
(
たづる
)
でもそこに
棲
(
とま
)
っているように見える。
キャラコさん:11 新しき出発
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
木の上に
棲
(
とま
)
つてゐる七羽の赤い小鳥を呼び入れてゐる図案で、すべてが、色の珍らしいさま/″\の布を貼り合はせて画にしてあるのであつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
檣兵として、彼は、下なる雜沓、甲板に群れてゐる兵士等から離れて、帆綱の中へ、鳥のやうに
棲
(
とま
)
つて日を送つてゐた。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
ややしばらく
凝視
(
みい
)
っているうちに、彼の心の裡のなにかがその梢に
棲
(
とま
)
り、高い気流のなかで小さい葉と共に揺れ青い枝と共に
撓
(
たわ
)
んでいるのが感じられた。
ある心の風景
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
▼ もっと見る
崖の草枯れ
黄
(
きば
)
み、この喬木の
冬枯
(
ふゆがれ
)
した
梢
(
こずえ
)
に烏が
群
(
むれ
)
をなして
棲
(
とま
)
る時なぞは、
宛然
(
さながら
)
文人画を見る趣がある。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それを
聞
(
き
)
くと、
鳥
(
とり
)
は
降
(
お
)
りて
来
(
き
)
て、
右
(
みぎ
)
の
趾
(
あし
)
で
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
を
受取
(
うけと
)
り、
金工
(
かざりや
)
のすぐ
前
(
まえ
)
へ
棲
(
とま
)
って、
歌
(
うた
)
いました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
その鳥が飼主の手頸に
棲
(
とま
)
っているのがその鮮かな羽毛の色でそれと見分けられるような気さえした。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
けれどもマリちゃんはじっと
坐
(
すわ
)
って、
泣
(
ない
)
ていました。すると
鳥
(
とり
)
が
飛
(
と
)
んで
来
(
き
)
て、
家根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
へ
棲
(
とま
)
った。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
何でもないことです。——
先達
(
せんだって
)
あたしがこちらへ渡ってくる途中でね、鴎が一匹、小さな枝切れへ
棲
(
とま
)
って、波の上をふわりふわりしていたんですの。ちょうど学校なぞにある標本を
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
……言うまでもない、それは、
趾
(
ゆび
)
をみな縛りつけ、その先に剃刀の刃でも結いつけてあるのさ。趾を縛っておけば、途中で
棲
(
とま
)
れないから、襲撃をすませると真直に自分の家まで帰ってくるほかはない。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
おくみはそこらに一匹
棲
(
とま
)
つてゐた蝿を手先で追うて、そこ/\にこちらへ下つた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
鳥
(
とり
)
は
水車小舎
(
すいしゃごや
)
の
前
(
まえ
)
にある
菩提樹
(
ぼだいじゅ
)
の
上
(
うえ
)
へ
棲
(
とま
)
って、
歌
(
うた
)
い
出
(
だ
)
しました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
鳥はいろいろの形をして一つゞきに
棲
(
とま
)
つてゐる。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
棲
漢検準1級
部首:⽊
12画
“棲”を含む語句
棲居
共棲
同棲
隠棲
棲所
独棲
同棲生活
棲家
棲息
棲処
群棲
両棲
棲木
同棲者
両棲類
孤棲
辻棲
棲遅
棲息地
旧棲
...