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格天井
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ごうてんじょう
ふりがな文庫
“
格天井
(
ごうてんじょう
)” の例文
と思いながら美事な香木で作った
格天井
(
ごうてんじょう
)
を見ていましたが、熱い熱い涙が
自
(
おの
)
ずと眼の中に溢れて、左右にわかれて流れ落ちました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
これは後で見ると、悉く下の大広間の
格天井
(
ごうてんじょう
)
に描かれた、
天人
(
てんにん
)
の眼や、
蝶々
(
ちょうちょう
)
の羽の紋や、
牡丹
(
ぼたん
)
の
蕊
(
しべ
)
などであったということです。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
格天井
(
ごうてんじょう
)
の隙間から、逆様の夕立ちみたいに射し込む光線の糸。その外には何の光もない、べら棒に広いがらんどうの暗闇だ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
やがて立ち上がって、一人一人に
挨拶
(
あいさつ
)
をするうちに、自分は控所にある
洋卓
(
テーブル
)
やら、
絨氈
(
じゅうたん
)
やら、
白木
(
しらき
)
の
格天井
(
ごうてんじょう
)
やらを眺めた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たそがれ頃まで、南の
狭間
(
はざま
)
で小銃の音がかなり烈しく聞えていた。時折、
格天井
(
ごうてんじょう
)
もゆすれるような大鉄砲の音が
交
(
ま
)
じる。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
高い高い
穹窿
(
アーチ
)
形の
格天井
(
ごうてんじょう
)
……そこに吊された何千年来のものともわからぬ古風な
龕灯
(
がんどう
)
や、どっしりとした井桁の枠の
嵌
(
は
)
まったこれも穹窿形の円窓や
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
椿岳の大作ともいうべきは牛込の円福寺の本堂の
格天井
(
ごうてんじょう
)
の
蟠龍
(
はんりょう
)
の図である。円福寺というは紅葉の旧棲たる横寺町の、
本
(
も
)
との芸術座の直ぐ傍の
日蓮宗
(
にちれんしゅう
)
の寺である。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
焚火に照らされた中空の老樹大木が、枝を張って、天空に竜蛇の
格天井
(
ごうてんじょう
)
が出来ているように見えます。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
当時に
有名
(
なうて
)
の番匠川越の源太が受け負いて作りなしたる谷中感応寺の、どこに一つ批点を打つべきところあろうはずなく、五十畳敷
格天井
(
ごうてんじょう
)
の本堂、橋をあざむく長き廻廊、
幾部
(
いくつ
)
かの客殿
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
格天井
(
ごうてんじょう
)
を漏る昼の月影のごとく、ちらちらと薄青く、また
金色
(
こんじき
)
の影がさす。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殿村夫人は三笠探偵に掴まれていない方の手で、広間の
格天井
(
ごうてんじょう
)
の真中を指さしながら、さも嬉し相な、気違いみたいな笑顔で、一同を見廻すのであった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
武蔵は、なるべく眼をうごかすまいとしても、つい、
格天井
(
ごうてんじょう
)
や、
橋架
(
きょうか
)
の欄干や、
庭面
(
にわも
)
の様や、
欄間
(
らんま
)
の
彫刻
(
ほり
)
など、歩くたびに、眼を奪われてしまう気がする。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
相好
(
そうごう
)
は変っていますが、紛れもない浪人梶四郎兵衛、娘のお勇と同じように、胸に両刃の剣を突っ立てられて、怨み多い
洞
(
うつ
)
ろな眼に、
格天井
(
ごうてんじょう
)
の下手な
丸龍
(
まるりゅう
)
の絵を睨んでいるではありませんか。
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、私はもう一度、
格天井
(
ごうてんじょう
)
に眼を放ちました。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そして眼をひらくと、四壁の
金泥
(
きんでい
)
と絵画は赤々と
燦
(
かがや
)
いていた。
格天井
(
ごうてんじょう
)
の
牡丹
(
ぼたん
)
の図も炎であった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
格天井
(
ごうてんじょう
)
の絵でもながめているかのような風である。その眼のすずやかさ。眉目の優しさ。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
憤然と、
格天井
(
ごうてんじょう
)
を仰ぐと、彼女は、子たちを抱えたまま良人のそばへ身をすりよせた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鑿
(
のみ
)
を持たせては、不思議な腕を持っていて、
天稟
(
てんぴん
)
と申しましょうか、
格天井
(
ごうてんじょう
)
の組みとか、
欄間細工
(
らんまざいく
)
などの仕事になると、平次郎でなければほかの大工にはできないというので、仲間の者も、つい
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひと気もない大広間の
格天井
(
ごうてんじょう
)
には、もう夕暮のかげが濃い。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“格天井”の意味
《名詞》
角材を格子状に組み、その上に板を張った天井。
(出典:Wiktionary)
格
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
井
常用漢字
小4
部首:⼆
4画
“格”で始まる語句
格子
格子戸
格別
格好
格
格闘
格子縞
格子窓
格言
格納庫