果斷くわだん)” の例文
新字:果断
〔譯〕果斷くわだんは、より來るもの有り。より來るもの有り。ゆうより來るもの有り。義と智とをあはせて來るもの有り、じやうなり。たゞゆうのみなるはあやふし。
其頃そのころ大佐たいさ年輩としごろ三十二三、威風ゐふう凛々りん/\たる快男子くわいだんしで、その眼光がんくわう烱々けい/\たると、その音聲おんせい朗々ろう/\たるとは、如何いかにも有爲いうゐ氣象きしやう果斷くわだん性質せいしつんでるかをおもはしめた。
氣丈きぢやうな人間が何を堪へるかを皆さんに示してゐる、この果斷くわだんな人間の妹です、——元氣を出すがいゝ、デイック!——私を恐れることはないよ! お前を打つぐらゐだつたら
御米およね此頃このごろをつと樣子やうす何處どこかに異状いじやうがあるらしくおもはれるので、内心ないしんでは始終しじゆう心配しんぱいしてゐた矢先やさきだから、平生へいぜいらない宗助そうすけ果斷くわだんよろこんだ。けれどもその突然とつぜんなのにもまつたおどろいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)