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杜絶
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とぜつ
ふりがな文庫
“
杜絶
(
とぜつ
)” の例文
諸流の調和を図りまた家元なるものの特権を
揮
(
ふる
)
ふて後進年少が進んで行かうといふ道を
杜絶
(
とぜつ
)
することのないやうにしてもらはねばならぬ。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
かかる弊風を
杜絶
(
とぜつ
)
するためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを
見逃
(
みの
)
がすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
似顔絵本は勝川春章が『舞台扇』『役者夏の富士』以来久しく
杜絶
(
とぜつ
)
したりしが豊国に至りて再び流行せり即ち左の如し。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
帝室博物館、二大劇場、帝国大学、日本銀行、停車場等も廃滅に帰し、電報電信の途は全く
杜絶
(
とぜつ
)
してしまつた。云々。
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
もの音の
杜絶
(
とぜつ
)
した夜半、泥海と
茫漠
(
ぼうばく
)
たる野づらの
涯
(
はて
)
しなくつづくそこの土地の
妖
(
あや
)
しい空気をすぐ外に感じながら、ひとりでそんなことを考えていると
冬日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
▼ もっと見る
北海の海は氷雪にとじこめられた何カ月か、交通を
杜絶
(
とぜつ
)
させた。加うるに、進歩した蒸気船とは云え、いまだ必ずしも航路の安全は保証されていないのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
そしてさいごに雪が十分に降って、二百枚の写真がとれ、交通
杜絶
(
とぜつ
)
の一歩手前で、逃げ帰ることができた。
黒い月の世界
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
交通が
杜絶
(
とぜつ
)
しないとも限らぬ、どのみち、この雪の降りあんばいを見るべく、今日の出発を見合わせよう。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この二十六日以来三日間というもの、すべての交通一切
杜絶
(
とぜつ
)
で、郵便はもちろん新聞さえ見られなかった際じゃから、郵便配達と気づいて予はすこぶるうれしい。
水籠
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
さきに、祖国との通信は、とつぜん
杜絶
(
とぜつ
)
してしまったのであった。あれほど、自分と堅い約束をした鬼塚元帥さえ私の電波に応じて、答えようとはしなくなった。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
昨今、山陽道は
杜絶
(
とぜつ
)
していた。楠木の別動隊が淀の水路や河内、摂津口をさまたげているためだという。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それまではほとんどこのパーリーとダージリン間の交通は
杜絶
(
とぜつ
)
されて居るといってもよい位。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
つい一月
許
(
ばか
)
り前の東都の大震災から始まったもので、あの当時あらゆる交通機関が
杜絶
(
とぜつ
)
して、いろ/\の風説が起った時に、焼け残った山ノ手の人々が手に手に獲物を持って
琥珀のパイプ
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
それが盛んに起れば鉄道は破壊さるる。交通はために
杜絶
(
とぜつ
)
する。従って商売も妨げらるる。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
僅かに得た人生の
須臾
(
しゅゆ
)
の間の安らかな時間を、ひたすら受け
容
(
い
)
れようとして、日常の生活意識を
杜絶
(
とぜつ
)
した人々がみんな蝶にも見える。子供にも見える。そして事実子供も随分多い。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
五官を
杜絶
(
とぜつ
)
すると同時に人間は無くなり、従って世界は無くなるであろう。
感覚と科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
かかる大板の浮絵は宝暦に入りて鳥居清満が紅絵を最後とし
色摺
(
いろずり
)
錦絵
出
(
いづ
)
ると共に
暫
(
しばら
)
く
杜絶
(
とぜつ
)
せしが安永に及び歌川豊春の浮絵となりて更にその流行を増しぬ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そうして
其所
(
そこ
)
に一種の苦痛を認めた。けれども、その苦痛は堪え得られない程度のものではなかった。寧ろそれから生ずる財源の
杜絶
(
とぜつ
)
の方が恐ろしかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この交通の
杜絶
(
とぜつ
)
している白骨の奥へ、土地の案内者か、冒険者なら格別、弁信さんみたような、きゃしゃな人が、来られようとは思いませんが、
日々日々
(
にちにちにちにち
)
に、そんな心持がして
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
八月二十四日の真夜中、当分
杜絶
(
とぜつ
)
になるという最後の連絡船に乗って本州へ渡った。
流言蜚語
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「ははあ。すると海が荒れて交通が
杜絶
(
とぜつ
)
したようなものですね」
ふしぎ国探検
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けれど、やがてその通信は、中断され、
杜絶
(
とぜつ
)
した。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親は生計のための修業と考えているのに子供は道楽のための学問とのみ
合点
(
がてん
)
している。こういうような訳で道楽の活力はいかなる道徳学者も
杜絶
(
とぜつ
)
する訳にいかない。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
浮世絵は
此
(
かく
)
の如く漸次社会的事変の報道となり遂に明治五年芳幾が一枚絵には明かに『東京日日新聞』の名称を付するに至りぬ。然れども浮世絵従来の美人並に役者絵も決して
杜絶
(
とぜつ
)
したるには非ず。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼の頭の中には職業の二字が大きな
楷書
(
かいしょ
)
で焼き付けられていた。それを押し退けると、物質的供給の
杜絶
(
とぜつ
)
がしきりに
踴
(
おど
)
り狂った。それが影を隠すと、三千代の未来が
凄
(
すさま
)
じく荒れた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
寧
(
むし
)
ろそれから生ずる財源の
杜絶
(
とぜつ
)
の方が恐ろしかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“杜絶”の意味
《名詞》
杜絶(とぜつ 「途絶」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
今まで続いていた物事が途中で絶えること。
(出典:Wiktionary)
杜
漢検準1級
部首:⽊
7画
絶
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
“杜”で始まる語句
杜
杜鵑
杜若
杜撰
杜松
杜甫
杜氏
杜切
杜国
杜鵑花