村内そんない)” の例文
おつぎはそれから村内そんない近所きんじよむすめともかよつた。おつぎは與吉よきちちひさな單衣ひとへもの仕上しあげたとき風呂敷包ふろしきづゝみかゝへていそ/\とかへつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
五年目ごねんめには田地でんち取返とりかへし、はたけ以前いぜんよりえ、山懷やまふところ荒地あれち美事みごと桑園さうゑんへんじ、村内そんないでも屈指ゆびをり有富いうふう百姓ひやくしやうおはせたのです。しかもかれ勞働辛苦らうどうしんくはじめすこしかはらないのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ゆったりとおちついたうちにも、村内そんない戸々ここのけはいは、おのがじしものせわしきありさまに見える。あす二十二日がこの村の鎮守祭礼ちんじゅさいれいの日で、今夕こんゆうはその宵祭よいまつりであるからであろう。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
与右衛門さんは、村内そんないっての吾儘者わがままもの剛慾者ごうよくものとしてのけものにさるゝ男である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
於是こゝにおいて村内そんない惡少あくせうたれかれひとツ、(馬鹿ばかことを)とけなしつける。
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)