木像もくぞう)” の例文
「そのほか、慈眼大師じげんだいし銅製どうせい誕生仏たんじょうぶつ釈尊しゃくそん苦行くぎょうのお木像もくぞう、同じく入涅槃像にゅうねはんぞう、いずれも、稀代きだいの名作にござりまする」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
其處そこだツ、日本男兒につぽんだんじたましひは——。』と木像もくぞうのやうにだまつてつた武村兵曹たけむらへいそう不意ふいさけんだ。
そもそも幕末の時に当りて上方かみがたの辺に出没しゅつぼつしたるいわゆる勤王有志家きんのうゆうしかの挙動を見れば、家をくものあり人をころすものあり、或は足利あしかが三代の木像もくぞうの首をりこれをきょうするなど
かおいろは、にやけてくろく、そのは、とびているようで、いくらか、こわいがしました。おてらへいくと、よくこんなかたちをした、木像もくぞうほとけさまがあるのを、わたしはおもしました。
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)
それより漂流中へうりうちういろ/\の艱難かんなんて、やうやこのしま漂着へうちやくしたまで有樣ありさま脱漏おちもなくかたると、ひとあるひおどろき、あるひたんじ、武村兵曹たけむらへいそう木像もくぞうのやうになつて、巨大おほきくして、いきをもかずいて