新吉しんきち)” の例文
新吉しんきちは、九つのとき、ほんの一病気びょうきになってたばかりでんでしまいました。弥吉やきちじいさんの、なげきは一通ひととおりでありません。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
つづいて新吉しんきちがファットマンの鼻へ乗ろうとすると、ファットマンはちょっと鼻をきこんで、しばらく新吉の顔を見ていました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
門番の勘藏かんぞうがとって二歳ふたつになる新吉しんきち様と云う御次男を自分の懐へ入れて前町まえまちへ乳を貰いにきます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
新吉しんきちがおさくを迎えたのは、新吉が二十五、お作が二十の時、今からちょうど四年前の冬であった。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それは、四国屋のお久良くらと、手代の新吉しんきちだった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新吉しんきちさんは
雨情民謡百篇 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
「おい、きみ。」と、おまわりさんは、うしろから、二人ふたりめました。新吉しんきち正二しょうじも、びっくりして、おまわりさんのほう見返みかえりました。
はととりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あっ。」とわか姉さんはさけびました。そして竹竿たけざおをほうり出すと、両手をひろげて新吉しんきちのからだを受け止めようとしました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
政「親方のおちなさいますのをわたくしが見ておりまするのも心持が悪うございますから、縄を掛けて、裏町に御用聞をする新吉しんきちという人が有りますから、早速人を遣って知らせましょう」
「どうしたの? しんちゃん。」と、おかねは、かさねて、たずねました。けれど、新吉しんきちは、さびしそうなかおつきをして、だまっていました。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
新吉しんきちは火の見の下に、ぼんやり立って見送っていましたが、もういても立ってもいられないほど、さびしくなって来ました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「やったな。」と、正二しょうじあたまをおさえて、すぐに新吉しんきちあといかけました。おまわりさんは、おおきなはらかかえるようにして
はととりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
弥吉やきちじいさんのまごに、新吉しんきちという少年しょうねんがありました。おかねとはなかよしでありました。新吉しんきちには両親りょうしんがなく、おじいさんにそだてられたのであります。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「だめだなあ、かたきつとき、かわいそうもなんにもないだろう。」と、正二しょうじがいいました。正二しょうじのいったことは、たしかに、新吉しんきちふかかんがえさせました。
はととりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、そうか。新吉しんきちもチンドンのお弟子でしになるといい。」と、おとうさんがおっしゃいました。
片目のごあいさつ (新字新仮名) / 小川未明(著)